確定申告の申告期限が近づいてきていますが、みなさんは確定申告を済ませましたか。自営業またはフリーランスとして働く男女600人に聞いたところ、確定申告にかかる時間は平均で752分(12時間32分)にも上ることがわかりました。また、納税や確定申告にストレスを感じる人は、仕事上の人間関係や減収にストレスを感じている人よりも多いことが分かりました。
アメリカン・エキスプレス・インターナショナルが2022年2月に実施した調査で、自分自身で確定申告をする全国の自営業・フリーランス(事業年数4年以上:400人、事業年数4年未満:200人)を対象に行われました。
確定申告に必要な作業について、それぞれどれくらいの時間がかかるか聞いたところ、最も時間がかかるのが、「源泉徴収票や領収書など必要書類のとりまとめ」(129分)で、以下「データの集計」(127分)、「集計結果の記入や入力」(121分)となりました。その他の作業も含めて、確定申告のために必要な作業時間は平均で「752分」かかることが分かったといいます。
また、確定申告時に大変だと思う作業を聞くと、最も多かったのが「源泉徴収票や領収書など必要書類のとりまとめ」(43.8%)で、次いで「データの集計」(37.8%)、「日々の帳簿付け」(36.5%)、「集計結果の記入や入力」(34.8%)が上位となり、大変だと思われている作業は時間がかかる作業と一致していたそうです。
続いて「自営業やフリーランスとしてどのようなことにストレスを感じているか」について聞いたところ、70.7%の人が「納税や確定申告にストレスを感じる」と回答。「売上や収入が減ること」(69.3%)や「仕事上の人間関係」(48.0%)よりも、ストレスを感じている人が多く、納税や確定申告といった作業が、いかにストレスフルであるかということがうかがえたそうです。
また、ビジネスの年商別に見ると、「年商200万円未満」では65.1%の人がストレスを感じている一方で、「年商1000万円以上」になると75.4%と、ストレスを感じる人はさらに多くなっており、年商や事業規模が大きくなればなるほどストレスも大きくなることが分かったそうです。
「2021年度分の確定申告で利用するもの」を聞いたところ、「e-Taxを使った/使う予定」と回答した人は44.7%でした。ほかには「税務署の窓口」(26.3%)、「会計ソフト(帳簿付けや確定申告ができるもの)」(18.7%)、「確定申告会場」(18.0%)といった回答が続きました。
「e-Tax(イータックス)」とは、インターネットで国税に関する申告や納税、申請・届け出などの手続きができる国税電子申告・納税システムのことで、税務署に出向くことなく、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成し、自宅からネットで提出(送信)できるものです。
「e-Tax」の利用者/利用予定者268人に「e-Taxの良い点」を聞いたところ、「自宅でできる」(91.4%)、「添付書類を省略できる」(46.3%)、「24時間いつでも受付してくれる」(41.8%)といった回答が続きました。
一方で「悪い点」としては、「システムが理解しづらい、使いづらい」(36.9%)、利用者認識番号・マイナンバーカードの取得、ICカードリーダライタの用意など「事前準備に手間がかかる」(31.7%)、「わからないことを質問しづらい・できない」(25.4%)などが挙げられ、利用者から見てもまだ課題は多いことがうかがえました。
最後に「コロナ禍での確定申告で大変だと思うことはなんですか」と聞いたところ、「コロナ関連の給付金・助成金の取り扱いについて知っていないといけない/調べなければいけない」(26.7%)が最も高く、次いで「売上や経費の変動により例年通りの申告でない」(16.3%)、「申告会場での感染対策」(14.5%)、「申告方法などについて人に相談しづらい」(14.2%)などが挙げられました。また、「売上や経費の変動により例年通りの申告でない」については、「事業年数が4年以上の人」が19.5%と、「事業年数が4年未満の人」の10.0%と比べて倍近く高くなっているそうです。