仕事や病気などさまざまな理由で自宅で保育ができない保護者が利用する保育園は、保護者にとって大切な子どもをお願いできる施設です。しかし、保育園に対して不信感を持ってしまうこともあるようです。保育園に息子を預けているさちさん(20代・会社員)にお話を伺いました。
息子がけがをしてきた!そのときの対応は
さちさんの息子が通う保育園は地元では40年以上の歴史がある保育園だそうで、茶道やスイミングなどいろいろな取り組みをしていることが入園の決め手となったそうです。保育園が自宅から近いこともあり、息子も楽しそうに登園していたそうですが、入園後だんだんとおや?と思うことが増えていったのだといいます。
「いつも迎えに行くと悪かったことしか教えてくれないの。息子のいいところも聞きたいんだけどね」と話すさちさん。ここからどんどん不信感が増していってしまったのだといいます。
ある日、終業後保育園に迎えに行った日のことです。受け渡し時にさちさんの息子が園庭で転んでしまい、けがをしてしまったと保育士から報告されたそうです。その傷は遊具から落ち、眉間を遊具に打ち付けたとのことで赤く腫れていました。
けがをした時間はお昼前だったそうですが、さちさんには18時に迎えに行ったときに報告をされただけで、その前に連絡はなかったそうです。
「男の子ですし、活発なので」とだけ話す保育士からは謝罪もなし。通院するにもすでに診療してくれる病院もなく、夜間当番医に連絡しましたが「嘔吐などがなければ一晩様子を見て」といわれ、翌日病院に行くことにしたさちさん。翌日にはさらに腫れ上がり、目を開けることすら難しくなってしまった息子を病院に連れて行ったそうです。
幸い骨に異常はなく、冷やして対応するのみでしたが、その後も保育園側からなんの謝罪もなかったそうです。「男の子だし遊んでいれば仕方ないと思っていたけど、さすがに腫れ上がった顔を見るのはつらかったよ」と苦々しく話してくれました。
女の子なら謝罪するの!?
さちさんの息子のけがから1週間後、今度は同じクラスのAちゃんがけがをしてしまったそうでAちゃんの保護者に保育士が説明している現場に遭遇したそうです。
保育士は「大変申し訳ありません!女の子の体に傷を作ってしまうことになってしまい、今後こういったことがないよう、園内の指導を再度行います!」と謝罪をしていました。
この場面をさちさんは「男の子と女の子でこんなに違うの?男の子はけがをして当然ってことなのかな」と思ったそうです。
なんだかモヤモヤしてしまったさちさん。しかし、そう思ったのはさちさんだけではなかったというのです。
「性別」で対応を変えない保育を訴え
「うちの子がけがしたときは何もしなかったのに、女の子だと謝罪するのね」と声がした方を見ると、同じクラスのBくんの保護者でした。さちさんは「私と同じ気持ちの保護者がいるんだって思ったの。男の子だからって理由で我慢しなくていいんだって」と話します。
その後、園長先生を交えて該当保育士とさちさん、Bくんの保護者との話し合いが行われ、「『男の子』だから『女の子だから』で区切らないでほしい。どの保護者にとっても大切なわが子であることに変わりはありません。また、送迎の際も子どもの悪いところばかりではなく、いいところも教えてほしい」と園側に伝えたそうです。園側は対応についての謝罪をし、改善に努めると話してくれたそうです。