「光回線をアナログ回線に戻せば安くなる」-。こうした勧誘が発端となる「アナログ戻し」のトラブルが増えていると、国民生活センター(相模原市)が注意を呼び掛けています。実際にどのような「アナログ戻し」の勧誘が行われているのでしょうか。センターが紹介する事例を見ていきます。
60代女性が被害にあった例では、「光回線をアナログ回線に戻すと月々の支払いが安くなる。アナログへの変更をサポートする」と勧誘電話があり、了承すると書面が送られてきました。女性が書面を返送した後、銀行口座を確認すると約1万円が引き落とされていました。書面を確認すると、初期費用として約4万円が必要とされ、このほかにもサポートサービスなども契約したことになっていたといいます。
80代男性が被害にあった事例では、大手通信会社を名乗る者から電話があり「インターネット回線を解約し、アナログ回線に戻すと今より料金が安くなる。工事をすれば費用をキャッシュバックする」と説明を受けました。男性が訪問を了承し後日、業者が訪れた際に置いていった書面を見ると、月約5千円の生活サポートの契約を大手通信会社ではない別の業者と結んだことになっていました。
国民生活センターによると、「アナログ戻し」に関する相談は316件(2018年度)から565件(2019年度)、873件(2020年度)、1398件(2021年度、11月末現在)と年々増加しています。
さらに2021年度分の相談では男女とも70代以上が多いといいます。
センターは注意点として、事業者名や契約内容をしっかり確認すること、必要ないと思った契約はきっぱり断ることを挙げています。
さらに、不安に思った場合やトラブルが起きた場合には、最寄りの消費生活センターにつながる「消費者ホットライン」188番に電話するよう求めています。