実は難読名字…どうして「かすが」って読むのかな? 高校同級生コンビ・オードリー「春日」「若林」のルーツ

森岡 浩 森岡 浩

サンドウィッチマンと同じく、高校時代の同級生コンビであるオードリーの春日俊彰と若林正恭。ともに日大二高のアメフト部の出身で、2008年にM1で準優勝してブレイク、現在ではそれぞれピンとしても活躍している。

それではまず、春日俊彰の「春日」。これでごく当たり前りように「かすが」と読んでいるが、よく考えてみると難読名字である。「三日」などという場合に「日」を「か」と読むことはあるが、「春」には「かす」という読み方はない。

「春日」とは大和国にあった「かすが」という地名のことで、現在の奈良市春日野町付近である。この「かすが」の枕詞が「春日」であった。枕詞とは、和歌を詠むときに特定の言葉につける修辞法(かざり言葉)で、「かすが」を歌に詠む際には「春日(はるひ)のかすが」ということになっていた。

そこから次第に「春日」という漢字そのものを、「かすが」と読むようになったものだ。同じようなものとしては、「飛鳥」とかいて「あすか」と読むのも、「あすか」の地の枕詞が「飛ぶ鳥の」だったことに由来している。

では、「かすが」という地名のルーツは何かというと諸説あり、「神(か)」の「住(す)」む「処(が)」という説が有力。つまり神の住んでいる場所のことで、ここには奈良時代に平城京の守護と国民の繁栄を祈願するために創建された春日大社が鎮座している。そのため、「春日」さんは神官など、神社に関係する家が多いという。

現在は長野県に最も多く、伊那市付近に集中している他、新潟県の魚沼地方や、島根県の出雲地方にも多い。

一方、読書家としても知られる相方の若林正恭。「若林」という名字も地名由来の名字だ。「林」は、自然のままの「森」とは違って人が手を入れた場所を指している。「若」は年数が経っていないことで、「若林」はまだ手入れしてそれほど年数の経っていない林のことだ。

こうした場所は各地にあることから、「若林」のルーツも1カ所ではなく、各地にある。

主なものには、加賀国石川郡若林郷(石川県)をルーツとする戦国時代の小松城主の若林氏や、三河国碧海郡若林(愛知県豊田市)をルーツとする松平氏一族の旗本若林家などがある。

現在は関西から北陸にかけての名字で、とくに長野県北部から富山県に多く、長野県千曲市の旧上山田町では最多名字だった。この他、滋賀県東部から三重県亀山市にかけての地域にも集中している。

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