「にんにくの恐ろしさがわかる」として投稿された2本の動画がTikTokで話題です。
紹介されているのは、スーパーで購入したにんにくの再生栽培の様子。1本目の動画では、皮をむいた一片のにんにくを少量の水が入ったカップにつけたところ、一晩で驚くほど根が伸びる様子が確認できます。
続く2本目の動画では、そのにんにくをペットボトルでつくった水耕栽培容器に移動。すると、そこからほんの数日で、青々とした立派な新芽が伸びています。
再生栽培といえば豆苗が広く知られていますが、まさかにんにくもこんなに簡単に再生できるとは…。これらの動画にコメント欄には、
「恐ろしいとは感じない…。むしろ素晴らしい」
「すごい生命力。元気になる食べ物ですね」
「そりゃ滋養強壮にいいわけだ」
「楽しそう!知らなかったからやってみます」
といった驚きの声が集まり、前後編を合わせてTikTokでは約47万回、YouTubeでは214万回再生を記録しています。
「初心者でもできた!」をモットーにガーデニングや家庭菜園にチャレンジしているという投稿主の「園芸番組ゼロ」さんに、にんにく再生のコツや注意点を伺いました。
――動画では一晩でにんにくの根がぐっと伸び、数日で新芽も成長していました。季節としてはいつ頃撮影されたものでしょうか?
昨年の10月末に撮影したものです。にんにくは気温が25度を超えると休眠状態に入るので夏場は芽が出ないんですよ。最適な栽培時期は9~10月頃とされています。
――新芽が動画のように伸びるまで、具体的に何日くらいかかるものでしょうか。
環境にもよりますが、1週間から10日ほどあればかなり伸びると思います。今年の1月に試したときも、それくらいの期間でぐっと伸びました。
――この伸びた芽は、スーパーなどで売られている「にんにくの芽」として食べられるのでしょうか?
「にんにくの芽」は4~5月頃に伸びてくる「トウ」という花の咲く茎の部分なので、動画で伸びていたものとは違います。ただ、動画で伸びていた新芽も「スプラウトにんにく」として、根っこから新芽まで調理して丸ごと食べられます。
――ちなみに、このまま育て続けるとどうなるのでしょう。
水耕栽培では球根が再生することはないので、ある程度葉が伸びたらスプラウトにんにくとして食べるといいと思います。あるいは、イチゴを育てる際に、葉と根が伸びた状態のにんにくをコンパニオンプランツ(育てたい野菜や花のそばに植えることでよい影響をもたらす植物)として活用するという方法もあります。イチゴとにんにくは混植するのに相性がいいんですよ。
――動画では、にんにくの一片を土に植えている映像もありました。水耕栽培同様に新芽が伸びていましたが、土で育てると球根を収穫できるのですか?
はい、ホームセンターなどで手に入る培養土で育てられ、5~6月頃に収穫できます。土で育てる場合は、水をやり過ぎないのがポイント。目安としては冬場なら4~5日おき程度で、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。一方で水耕栽培の場合は、季節を問わず毎日水を交換してあげてください。
――「猫がいる家庭では室内で栽培しないで」という注意もされていました。
猫にとってユリ科の植物は猛毒なので、注意書きを入れました。コメントで「犬にもNG」というご指摘がありましたが、当番組の出演者が猫を飼っていて、当初から「猫にダメな植物」について発信をしているので、猫に特化した注意書きになりました。
――動画が大きな反響を呼びました。印象に残ったコメントなどはありますか?
私自身もそうでしたが、やはりにんにくの再生力に驚いてくださる方が多かったです。不安やストレスの多いコロナ禍ですが、ぜひにんにくで免疫力を高めていただければと思います。また、緑に触れることはストレス緩和効果もあります。「驚き」をきっかけに、園芸や家庭菜園に興味を持たれる方が増えてくれたら嬉しいです。
「初心者ならではの柔軟な発想で、とにかく植物を“楽しむ”発信ができれば」と語ってくれた園芸番組ゼロさん。TikTokやYouTubeといったSNSアカウントでは、大根や玉ねぎ、パイナップルの再生栽培の様子もアップされています。初心者ならではの目線で「どうして?」も楽しく共有できるアカウントなので、興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。
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