遺棄されていた、生まれて間もない子猫たち
Meiちゃんは、5匹兄妹。2019年5月下旬、大阪府のとある場所にダンボール箱に入れて捨てられていた。初夏とはいうものの夏日が続いていたのだが、ダンボール箱は、陽を遮るものもない駐車場に置かれていた。中には使い古したタオルが1枚入れられていたという。
子猫たちは生後3、4日、まだ目も開いていなかったが生きていて、保護団体「とよなか猫のかぎしっぽが保護した。2018年にもMeiちゃんたちが捨てられていた場所の近くに子猫が捨てられていて、同団体が保護したのだが、いずれも同じ箱が使われていて、表面には「Happy life with cat」と印字されていたそうだ。
譲渡会で一目惚れ
生後3週目、Meiちゃんは体調を崩して入院したが、無事退院。7月には兄弟姉妹と一緒に譲渡会に参加した。
大阪府に住む井上さんは、16年前に保護したミルちゃん、次に迎えた保護猫のカルちゃんを飼っていた。ミルちゃんは井上さんとの信頼関係が築けず、撫でることさえできなかった。カルちゃんは抱っこが大好きで甘えてくれたが、ミルちゃんとは、それぞれ別々に生きている感じだった。
「年の違う子が来たら、この2匹も変わるかもしれないと3匹目を迎えることにしました。いろいろな譲渡会に行ったのですが、ネットでMeiを見つけて一目惚れしました」
Meiちゃんに会うために譲渡会に行くと、Meiちゃんは5匹の中で一番小さくてふわふわだった。Meiちゃんの方からウインクしてくれた時、この子しかいないと思ったそうだ。
よく食べ、よく食べ、よく食べる子
8月3日、家を確認するための訪問を兼ねて、保護団体のボランティアがMeiちゃんを連れてきてくれた。
先住の2匹は奥からのぞいていたが、知らん顔。Meiちゃんは、「ケージから出せ!出せ!」と、とにかくよく鳴いた。ケージから出してあげると、まずは部屋の中を探検した。先住猫にも会ったが、年が違いすぎるせいか興味を持たなかった。
「よく食べ、よく遊び、よく寝て、そしてよく食べ、よく食べ、よく食べ…。とっても食いしん坊さん。おチビからおデブに変身するのではないかと心配するほどでした」
いまも台所でごはんのお皿を出すと、寝ていても遊んでいても、Meiちゃんが必ず一番にやってくる。ふわふわのカギ尻尾をピンッと立てて、お尻を振って内股でペタペタやってくる。井上さんは、その姿に「キュンキュンしちゃう」と言う。
「猫なのに『メェ〜ッ』と鳴くのもかわいいんです。後から子猫が来てからはとても面倒見のいいお姉ちゃんになりました。ケンカもよくしますが、とても仲良しです」