これが作り物なんて…いよいよ「本物」を超えた!?「食品サンプルの世界」展がすごすぎて笑う フィギュアの新たな聖地・鳥取で開催中

黒川 裕生 黒川 裕生

赤瓦と白壁土蔵の美しい町並みが残る鳥取県中部の倉吉市に、「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」という施設がある。ユニークな形の建物は、現存するものとしては日本最古という円形校舎(1955年竣工)。それが丸ごと1棟、フィギュアの魅力を伝える施設に生まれ変わったのだ。アニメのキャラクターや恐竜、動物、ミリタリー関連など計約2000点を常設展示しているほか、年に数回ペースで企画展や特別展を実施。現在は本物と見紛うほどのリアルな再現度が楽しい「『食品サンプルの世界』展」を開催している。3月13日まで。

レストランなどのショーケースで目にする食品サンプルは日本独自の文化とも言われ、時代と共に進化を続けている。「『食品サンプルの世界』展」は、日本を代表する食品サンプルメーカーとして知られる大阪の「いわさき」が協力。社内コンクールに出品された遊び心あふれるユニークな作品や超リアルな作品を一堂に集めたほか、食品サンプルの作り方や歴史なども紹介している。

中でも目を引くのは、リアリズムを追求した「食べかけ」の作品群。一口かじって皿に中身がこぼれ落ちた餃子や、チンした冷凍ごはん(ラップで包んでいたので四角い!)と肉汁たっぷりの焼売、少しよそった後の土鍋の豆ごはんなど、「商品」としてはやや掟破りな生活感あふれる食品サンプルがずらりと並ぶ。実際にはあり得ないほど長いそばや、10段タワーバーガー、カニめしを食べようとしているカニなどの思わず笑いを誘われる作品もあり、見ているだけで胸が躍る。

製品ができる工程をわかりやすく伝える展示、かつての「ロウ製」と今の「樹脂製」とで食品の再現度にどれほどの違いが生まれたのかという比較、さらにはラーメンやカレーを頭にかぶって(!)写真を撮れるコーナーも。週末には、自分だけの食品サンプル(のメモスタンド)作りを体験できるワークショップもある。

開館時間は9時から17時(無休)。入場料は高校生・一般1200円(特別展のみ600円)、小・中学生600円(特別展のみ300円)、未就学児は無料。

【円形劇場公式サイト】https://enkei-museum.com/

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円形劇場は移転前の明倫小学校で1976年まで使われていた円形校舎。屋上がある3階建てで、内部は螺旋階段を中心に扇型の(元)教室が並んでいる。公民館などとして使用された後、一度は解体が決まったが、地域のシンボルが失われることを惜しむ人たちの声に押され、フィギュアに特化したミュージアムとして2018年4月に再生した。運営は株式会社「円形劇場」が担っている。

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