Facebook、Twitter、InstagramとさまざまなSNSが普及する中、写真を投稿する際のモラルが問題視されています。全世界で閲覧できるSNSが与える影響力は大きく、何気ない投稿が他人を傷つけることもあります。20代女性・Tさんも投稿された写真に翻ろうされた一人です。
SNSが好きな社長が仕事中に撮影していたものは…
Tさんは、とある企業のオフィスマネージャーとして勤務していました。Tさんの会社の社長であるM氏は、とにかく写真が大好きで、ペットの写真、風景の写真、オフィスの写真など、日常で起こるささいなこともスマートフォンのカメラで写真を撮っていました。
Tさんは当初「写真が好きなのかな」「SNSに投稿するのが趣味なのかな」くらいにしか思っていなかったようですが、後にある事実を知り、驚愕します。
ある日、Tさんはふと、どうしてあんなに社長のM氏が頻繁に写真を撮影するようになったのか気になりはじめました。
そこで、社長のInstagramを検索し、投稿している写真を見てみると、Tさんが顔出しで写っている写真が投稿されていたのです。Tさんが社長の愛犬と遊んでいる様子、Tさんが仕事をしている様子など複数枚…それらの写真はTさんに許可なく、いつ撮影したのかわからない写真ばかりでした。
M氏のフォロワー数は2万人です。自分が働いている様子を勝手に2万人もフォロワーがいるアカウントに投稿したのかと思うと、TさんはM氏を信用できなくなりました。
しまいには、周囲の誰にも言っていなかったのに「転職したの?MさんのInstagramに写真がアップされてたから驚いたよ!」と知人に言われる始末。Tさんは、それ以降、出社することが怖くなり、退職を検討するようになったそうです。
悩んだ挙げ句、退職を決意したTさん
Tさんは悩んだ挙げ句、そのことをきっかけに退職を決意。その会社には、半年しか在籍していませんでしたが、影響力の強い社長から勝手にSNSに写真を投稿されることは、Tさんにとって、とてもつらかったようです。
Tさんは相手が社長ということもあり、「写真をSNSから削除してほしい」と言えなかったようですが、投稿した本人も悪気なく投稿している場合もあるため、不快に感じたらすぐに削除してほしい旨を伝えたほうがいいでしょう。なお、削除に応じてもらえなかった場合でも、Instagramでは、無断で自分の写真や動画を投稿されたと「プライバシー侵害」を報告することで、削除を依頼することができます。
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他人が写っている写真を投稿する際には、仲のいい友人や職場の同僚であっても、事前に本人に確認したほうがいいでしょう。顔がはっきりわかるような画像をSNSに無断に載せることは、場合によっては「肖像権の侵害」していると、画像の削除のほか損害賠償を請求される可能性もあります。いつ自分自身が加害者になるかわからないからこそ、写真を投稿する際には慎重になることが求められます。