信州味噌×47都道府県の名物がコラボ「郷土のお味噌汁缶」あなたの県は何の味噌汁? 2022年には全47種完成へ

鶴野 浩己 鶴野 浩己

信州産の味噌と47都道府県の名物がコラボした味噌汁の缶詰の売れ行きが好調だ。

現在販売されているのは長野県と愛媛県、兵庫県の3種類。長野は筍の一種「淡竹」とサバの水煮、愛媛はじゃこ天と大根、兵庫は淡路島産の玉ねぎを採用。いずれも長野市の味噌蔵「酢屋亀本店」の国産米・国産大豆でつくられた信州味噌のみを使用している。

開発した「いつもこころは太陽と」(長野市)の弓田望社長は、信州の雄大な自然に魅せられて2019年6月に都内から長野市に移住。当初は味噌汁事業に進出する予定ではなかったが、味噌との縁を感じずにはいられないような経験を経て、今回の企画をスタートさせた。

 

大学を卒業して旅行会社に就職し、グループ会社では代表取締役まで務めた弓田社長。しかし30歳のとき、医師になりたいという幼少からの夢を諦め切れず、退職して医学部受験に挑戦した。結果は残念ながら不合格だったが、「メスを持たない医者」という選択肢があることに気づき、予防医学のひとつとしてサプリメント事業に着手。その中で出会った長野県の男性経営者が、弓田社長と味噌をつなげるきっかけになった。

「その方が心身のバランスを崩されたときに、少しでも寄り添えたらと思って、手づくりの味噌と梅干しを東京から持って行ったんです。想いのこもった食べ物なら心の元気を取り戻してくれるかもしれない…そんな気持ちでした」

すると経営者はみるみる回復。もちろん、味噌と梅干しの力だけではないだろうが、弓田社長は「想いのこもった食べ物」が持つ力に気づかされたという。

 

その後、移住した長野でも味噌との出会いが待っていた。

憧れの地に移り住んだものの、住み慣れた関東を離れての一人暮らしでは心が沈む日もある。そんなときに、ふらりと立ち寄った味噌蔵「酢屋亀本店」併設の飲食店で、一杯の味噌汁のおいしさに不思議なほどの元気をもらったという。

「落ち込んでいる場合じゃない、と一瞬にして力づけられました」

ところが、そんな味噌が危機的状況にあることを知る。

「長野県は味噌の生産量が全国トップ。でも、40年前に比べると消費量は半分に減り、深刻な後継者不足という問題も抱えていました」

このままでは人を元気にする日本の大切な食文化が途絶えてしまう―。そんな危機感を募らせた弓田社長は、信州味噌を使った味噌汁の魅力を広めることで文化継承をサポートしようと、新会社を設立。2021年3月に缶詰を発売した。

缶詰にした理由は、2019年10月に台風19号が甚大な被害をもたらした「令和元年東日本台風」の際、市内の被災地で物資の調達支援を手伝った経験から。千曲川の氾濫による水害で災害時の食の重要性を痛感し、丈夫で保存期間が長く、非常食にもなる缶詰を採用した。味噌汁缶は3年保存でき、缶ごとの湯せんも可能。常温でも食べられる。

 

具材は各都道府県産の食材を使用。ECサイトのほか、長野県や都内のフランチャイズのコンビニで販売しており、単身赴任者や、都内在住の長野、愛媛、兵庫出身者などを中心に5000個以上を売り上げている。ながの東急百貨店では今季のお歳暮商品にも採用されるなど、非常食としてだけではなく、土産用や贈答用としても人気だ。

今後は全国のコンビニでの販売を目指すほか、善光寺御開帳(2022年4~6月)には47都道府県全ての缶詰を揃えるのが目標。直近で発売を控えているのは、富山県のブリ大根の味噌汁、高知県のどろめ汁、徳島県のそば米汁、埼玉県の根深汁などだという。

「善光寺御開帳は、過去には700万人を超える参拝者が訪れた行事。たくさんの人に自分の都道府県にちなんだ缶を楽しんでもらう機会になれば」

全国の地のパワーが詰まった名物を信州味噌の風味で味わえる味噌汁缶。ふるさとの味が恋しいときはもちろん、帰省時の手土産としても喜ばれそうだ。

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▼「日本の食卓 郷土のおみそ汁缶」販売サイト

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