2021年9月、サントリーホールディングスの新浪剛史社長が「45歳定年制が必要」という趣旨の発言を行ったことから、中高年社員の雇用について議論が沸き起こりました。実際に働く会社員のみなさんは「早期退職」について、どのように考えているでしょうか。全国の40代会社員1014人に調査したところ、約5割が「退職後の生活を明確に見据えた形で、退職を考えることがある」と回答。また、3%ほどが既に「会社から早期退職を持ちかけられたことがある」ことも分かりました。
ソーシャルレンディング事業を手がけるLENDEXが2021年11月に行った調査です。
まず「現在の会社員生活において不満に感じること」を質問すると、「給与/報酬額」(50.6%)が最も多く、「全般的にモチベーションを感じられないこと」(12.3%)「社内の人間関係」(12.2%)と続きました。また、「退職後の生活を明確に見据えた形で退職を考えることはありますか?」と質問したところ、47.7%が「考えることがある」と回答しました。
「現在の勤務先が早期退職制度を導入している」のは15.2%で、制度の対象年齢は「50歳以上60歳未満」(76.0%)、「40歳以上50歳未満」(22.7%)、「30歳以上40歳未満」(1.3%)でした。また「会社から早期退職を持ちかけられたことがある」と、3.1%の人が回答しました。同社は「早期退職制度は、希望者による退職ですが、早期退職を持ちかけられている方も中にはいるようです」と説明しています。
「早期退職を考えるきっかけになりそうなこと」について聞くと、「今後の生活資金が確保できること」(35.5%)との回答が最多に。そして「退職金について納得のいく額が提示されること」(22.1%)「仕事的にも役職的にも期待が持てず、モチベーションが湧かないこと」(21.1%)と続きました。同社は「職場環境の現状打破のためや、納得のいくの退職金といった先の見通しを立てられる資金が約束されていることで、早期退職を考えるきっかけとなっているようです」と解説しています。
また、話題の「45歳定年制」についての印象・意見を聞くと、以下のような回答が寄せられました。
▽45歳である程度の方向性や結果が見えてくるであろうという意味だと思う。年功序列の時代ではない(女性/兵庫県)
▽45歳定年だと将来の生活設計ができる前に退職しなければならないので働く側にしたらなかなかきつい(男性/和歌山県)
▽やりたいことが明確にある人は良いが、無い人は困ると思う。定年前の数年前から退職後のセカンドライフに向けて、セミナーや体験教室があったりすると良いと思う(女性/愛知県)
▽キャリアプランは人それぞれだから、45歳定年制は必要ないと思う(男性/神奈川県)
調査結果について、同社は「45歳定年制に対しては、マイナスなイメージを持っている方がいらっしゃる一方で、節目として捉え、人生設計を見直すきっかけと捉えている方もいらっしゃいました」と説明。また、「早期退職制度は希望者を募って退職を促す制度ですが、退職後の生活資金が確保できたり、職場環境の問題を解決するために早期退職を検討する方が多いようです。もし今後早期退職を検討するという方は、今のうちから投資などの資産形成を行う必要があるのかもしれません」と解説しています。