大正4年創業、おでんの老舗として知られる「浅草おでん大多福」(東京都台東区千束1-6-2)が今、ネット上で脚光を浴びています。ユーザーの熱い視線を集めるのは店内にある「お手洗いの蛇口」。三角形のこんにゃく、玉子、ちくわが3つ並んだ串おでんの形状で、こんにゃくをひねると水が出る仕組みです。
おでん店「ネットでここまで話題になるのは初めて」
注目されるようになったきっかけは、あるTwitterユーザーが投稿した写真でした。
「おでん屋さんのお手洗いの蛇口良すぎるから見て。こんにゃく捻(ひね)ると水が出る。やばい。好き」(匿名ユーザーの投稿より引用)
投稿には15万を超えるいいねがつき、同店学生アルバイトが偶然目にし、店の関係者に知らせました。「Twitterで話題になってますよ!」。
蛇口を取り付けたのは2019年10月。店舗リニューアル工事の際、職人さんが「面白い蛇口があるよ」と勧めてくれました。店の関係者らは「これはいいな!」と大ウケ。同店2階にある男、女トイレに1つずつ設置しました。
同店担当者に話を聞くと、使用した顧客が珍しいからと写真と撮ることはよくあるそうですが、「ネット上でここまで話題になるのは初めてです。取り付けてから2、3年は経っているのに。でも話題になってうれしいです」と声を弾ませました。
ほかにもあった「おでんの装飾」
実は店内にはほかにも「隠しおでん」があります。
店の入り口と天井の間の欄間をよく見ると、丸と三角、四角でおでん串が表現されています。同店関係者と職人さんと相談の上完成した同店だけのオリジナル。「店内に全部で3カ所あります」。
同店は現在、コロナ対策をしながら営業中。酒類提供の解禁や寒さから客足も戻ってきたそうです。人気店のため予約必至ですが、お店を訪れた際はおでんの蛇口を体験し、オリジナルのおでん装飾3カ所を探してみてはいかがでしょうか。
大阪のメーカー製「おでん鍋セットもあります」
おでんの蛇口は水道用品のメーカー「カクダイ」(本社、大阪市西区)の製品です。カクダイ公式Twitterアカウント(@kakudai_jp)でも今回の盛り上がりは把握しており、投稿で「おでん鍋もあるから見て」と反応。土鍋の形の水洗器がセットになった「おでん鍋セット」をアピールしました。