「暗闇に郵便局を光らせてみた。全国約2万3800局」
全国に設置された郵便局を光らせ、その分布状況を可視化した地図がSNS上で大きな話題になっている。
「離島・山間部にも満遍なく設置されていて、人の活動域が鮮明に。一つ一つの点に郵便物が集まり、やがて全国に散らばっていくと思うと、なにか深遠なものを見ているような気分になる。」
とその仕上がりについて語るのは、この地図の制作者にゃんこそば(@ShinagawaJP)さん。
そもそも郵便局は郵便サービスを全国に行き渡らせるための公共機関として設置された。
どんな離島、山奥にもくまなく郵便局が設置されているこの状況を実際に目にすると、そこにはたしかににゃんこそばさんが言うように人の営みの深遠さを感じる。
この地図はにゃんこそばさんが以前制作したコンビニエンスストアの分布地図と比較しても興味深い。
商業施設であるコンビニエンスストアは「商圏人口2000~2500人」が採算ラインとされ、都市部に集中する傾向にある。
結果、約5万件あるにもかかわらず郵便局に比べるとその分布には大きな偏りがあることが一目瞭然なのだ。
にゃんこそばさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「中四国の万遍なさ、さすが郵便局ですね 山間地人口が一定居た証拠が明確です」
「某支社で郵便商品の需給調整してたとき、離島のゆうびんから無茶な依頼が来たんで、せめて日付ずらせないか聞いたら「もうすぐ台風がきて、船が欠航するかもしれないんです(泣)」って泣きつかれて、在庫かき集めてなんとか間に合わせたの思い出した」
「ぱっと見、新潟が県の規模からいって他より明るいのは、郵便の父、前島密かの出身地だからですかね」
「北海道が顕著だけど、しっかり海岸線を描いている辺り、漁村や港には郵便局があると言う事の証明かと」
「集落から郵便局が消えたら、いよいよ消滅する可能性が高まるとはよく言ったものですね」
「『必ずどこの地域にもある』郵便局の大事さよ…。今後どうなる…」
など数々のコメントが寄せられている。
にゃんこそばさんにお話を聞いた。
――郵便局の分布をテーマにマップを制作されようと思ったきっかけをお聞かせください。
にゃんこそば:フィンランド在住の地図職人、Topi Tjukanovさん(@tjukanov)の主催で、毎年11月に「#30DayMapChallenge」という地図作成祭りが開かれています。初日のテーマが「Points(点)」だったのですが「点だけで日本列島の形を表せるかな?」と考えていたところ、ふと思いついて郵便局の分布図を作成してみました。
――制作を経てお感じになられたこと、気付かれたことなどお聞かせください。
にゃんこそば:これまでにもコンビニや100均などの分布図を作成したことがありますが、離島や農林漁村がここまではっきり描かれたのは初めてで驚きました。「人の住むところに郵便局あり」とも言われますが、今回改めてその言葉の意味を実感しました。
――これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
にゃんこそば:ここまでの反響を頂くとは思わず、とても驚きました。郵便局の他にも「これで日本地図を描けそう!」というネタがあれば、お寄せ頂けると嬉しいです。
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郵便局の局数は2007年の郵政民営化以降、漸減傾向にある。いつまでも今回のにゃんこそばの地図のように全国に郵便局が設置され、日本の郵便サービスが偏りなく運営されることを願いたいものだがいかに。
なお、にゃんこそばさんは今後もハッシュタグ「#30DayMapChallenge」に絡めて、今後もさまざまな創作地図をTwitter上に投稿していく予定だという。ご興味のある方はぜひチェックされたい。
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【にゃんこそばさん関連情報】
▽Twitterアカウント
https://twitter.com/ShinagawaJP