甘くないカレーの世界を極める…来たれ「カレー大學」!?冗談みたいな名前ですが、カレービジネスの登竜門的存在です

松田 義人 松田 義人

日本の国民食の一つと言っても過言ではない「カレー」についてのアレコレを学べる大学「カレー大學」があるのをご存知でしょうか? この名だけを聞くと、『天才バカボン』の「バカ田大学」のようなジョークの大学のように思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。この「カレー大學」、学校法人などを取得しているわけではない一方、かなり真剣に、あらゆる側面からカレーを学ぶことができるもので、カレーを扱う飲食業の方にとっての登竜門的な機関であり、一般のカレーファンの間でも熱い視線を送られているのだそうです。

すでに開学し7年のときを経ているという「カレー大學」ですが、今回はこの全貌と運営の理由について、「カレー大學」の學長であり、運営元の株式会社カレー総合研究所代表の井上岳久さんに聞きます。

3000種類あると言われるご当地カレーで、成功しているのはほんのわずか。その理由は?

そもそも「カレー大學」を開校する前、井上さんが「横濱カレーミュージアム」で責任者を経て起業したカレー総合研究所は、カレーを通した日本全体の食文化、健康食としてカレーの普及による健康面からのアプローチなど、日本総国民が好きなカレーをさらに盛り上げ、発展させることを目的としたものだったそうです。しかし、カレーのビジネスの本質を知らぬまま展開し失敗している例が多いため、さらに同社運営で「カレー大學」の開学に至ったのだそうです。

「私はカレーの専門家であるとともに、コンサルタントとして地方都市の地域振興支援にも力を入れています。コンサルタントとして独立したばかりの2008年頃、よく見かけたのが、『カレーでまちおこしをしたい』という地方自治体でした。

実はカレーでまちおこしをしている自治体は全国に100以上。『ご当地レトルトカレー』に至っては全国に3000種類あるといわれますが、成功しているのは『海軍カレー』を売り物にしている神奈川県横須賀市や『スープカレー』の北海道札幌市くらいです。日本各地で製造したレトルトカレーが売れ残り、販促用に作った幟やポップなどが埃をかぶっている実状に愕然としたのです。

話を聞いてみると、その原因は、多くの担当者がカレービジネスの本質を知らずに『カレーなら誰でもできる』と安直に考えていたことです。地域の特産品を入れただけのレストランメニューやレトルトカレーをたくさん見てきました。でも、それで売れるほど甘いものではないことは、『横濱カレーミュージアム』時代の経験でよく分かっていました。他方、脱サラ組でカレー店を開業して失敗する方も多くいます。これも勉強不足が原因です。

そこで、カレーについて学べる学校を立ち上げようと思い立ったのが『カレー大學』の始まりでした。カレーを体系的かつ実践的に学ぶことができ、カレーを理解する必要不可欠な知識全般を習得することができます。単なる知識としてだけでなく、 ビジネスや家庭で実用的に実践できる『生きた学問』として学ぶことを目指しています」(井上さん)

カレーを深く学べる「カレー大學」の講座のポイントと学費は?

こういった井上さんのアツい思いを反映するように「カレー大學」の講座は極めて真面目。以下のような概要になっているようです。

 【「カレー大學」講座のポイント】

・カレーを総合かつ体系的に学ぶことができる本格的な講座で、ビジネスで実益はもちろん、趣味としても役立つ。

・講座形式は2つあり、ネットで好きな時間・場所で学ぶことができるWEB講座と、通学して直接学ぶ通学講座(講座開催予定を確認して予約)がある。

・WEB講座の学習期間は1ヶ月で、通学講座は一日集中講座となる。

気になる学費はWEB講座=22000円(税込・約1ヶ月間・全6講座・5時間)、通学講座=38500円(税込・月に一度程度・全6講座・5時間)となっているそうです。

また、カレー大學受講後、認定試験に合格すると「カレー伝導師」として認定され、さらに学びたい人に対しては「カレー大学院」「カレー博士インターン」の上級講座を設けているのだそうです。

「これまで受講された方からは『カレーのプロとして抑えるべき点を確認できたのが良かった』『今までカレーをよく勉強しないで商売をしていた。改めて基本を学ぶことで、今後のビジネス展開のヒントになった』『レトルトカレーやカレー粉の商品学については、自分で勉強しようと思っても、一歩踏み込んだところまではなかなか勉強しきれません。カレー大學では有名なメーカーさんの商品を例に、歴史的な背景なども含めて解説していただけたので、より面白かった』といった声をいただいています」(井上さん)

さらに日本にカレー文化の発展が高まることを目指す!

「カレー大學」は前例のない取り組みでもあったため、ここまでの道のりは容易くなかったのではないかとも思います。最後に、この点についても聞いてみました。

「もちろん、うまくいかないことも多くありました。その都度焦ることはありましたが、ときどきにできることを真剣にやり、そしてその成果をPRし続けて来ました。これは大切であり、苦労してきた点でもあります。

今後の未来には『カレー大學』を卒業した「カレー伝導師」が日本全国にカレー業界を牽引し、カレーの知識・奥深いカレーの世界が広まり、カレーの文化の発展が高まることを願っています。カレーでビジネスする方々のすべてがビジネスを展開し成功してハッピーになっていただきたいと思います」(井上さん)

カレーは世界中に広まった料理で、その歴史や解釈、レシピは様々。しかし、こういったカレーの全体像を深く知る機関はこれまでありませんでした。こういった点でも「カレー大學」が果たす役割は絶大で、有意義なものだと思います。興味がある方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか。

カレー大學 https://currydaigaku.jp/

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