富山県射水市にある運送会社、三島野運送に勤務する中波翔太さん(23)のTwitter投稿が注目を集めています。
「納品先入ろうとしたら涙目で見つめてくるおばあちゃんおって、どうしたん?って聞いたら田んぼに愛車落としてしまったみたいで時間あったし助けてきた」
中波さんは富山県南砺市内でトラックを運転中、田んぼの脇で涙を浮かべ途方に暮れる高齢女性に出くわしました。女性に事情を聞くとハンドル型電動車いす(シニアカー)で走行中、田んぼに落下してしまったとのこと。
「少し脱輪した程度かなと思って現場行ったら5m程崖下に転がってておばあちゃん体は大丈夫なん!?ってなりました」
何より女性の体を心配した中波さんは、怪我がないことを確かめると、シニアカーの引き上げに乗り出しました。
投稿した中波さんに当時の状況について話を聞きました。
── 落下したシニアカーを見た瞬間、どう思われましたか?
「少し側溝に脱輪した程度だと思って現場に行くと、結構な崖下に落ちていたのでまずおばあちゃんの体を心配しました。荷物も散らばっていたのでスーパーからの買い物帰りだと分かりました」
── 引き上げ作業はお一人で?
「1人です。なるべくセニアカー(編集部注:スズキ株式会社のシニアカー)を傷つけないよう、安全に引き上げれるように吊り具、玉掛け場所は選定したつもりです。現場に着いてから撤収まで20分程度で終わったと思います」
Twitterには無事に引き上げられたシニアカーの写真も投稿されており、「怪我はないと言っていたのでそのままお別れしました」。
──高齢女性の様子は?
「とても喜んでおられました。現場に向かう途中から『お金あげるから!』と言われていて断っていましたが、引き上げ後に『一生のお願いだから受け取ってほしい』と言われ、お小遣いを少々いただきました。『ありがとう、また会ったら助けてね』とニッコリしてそのままセニアカーで帰られました」
──クレーンの運転歴は長い?
「もともと他の会社でトラックドライバーをしていたのですが、今の会社に今年3月に転職しました。クレーン歴はまだ半年ちょっとほどだと思います。普段はコンクリートの二次製品や住宅のプレカット材など、主に重量物を運んでいます」
──Twitterの反響の大きさには?
「何気なく投稿したのですが、すごい反響があって驚いています。上司には助けてあげたこと、お金は自分がいただいていいのかなど相談しましたが『会社の看板を背負ってそのようなことをしてくれてありがとう』と逆に感謝されました」
中波さんの一連の投稿には一晩で18万を超える「いいね」がつき、ユーザーからは「めっちゃいい人」「素敵なドライバーさん」「とってもステキです」「かっこいいです」「グッジョブ」「やさしい世界」「プロの仕事だと思います」「きっといいことありますよ」など、称賛の声が相次いでいます。