リアル「猫の貯金箱」!?心を閉ざしていた保護猫が、お手て遊びする姿に「賢い!」「手がパーになるのやばい」

はやかわ かな はやかわ かな

「ベッドの下にいた凪ちゃんが出てくるようにちゅーるを置いたら… 」とつぶやき、ツイッターに動画を投稿したジルさん(@xoxo_jillk)。そこに映っていたのは、ちゅーるがたっぷり盛られたお皿を差し出した瞬間、ベッドの下からにゅっと伸びるもふもふの猫のお手て!

「賢い!可愛い手が出てきた」「こういう貯金箱ありましたよね」と、箱の中から手を伸ばして硬貨を取り込む「猫の貯金箱」のように、ベッドの下からお手てを伸ばし、「ちゅーるのお皿」を人間と取り合いっこする猫ちゃんの可愛い様子に、歓喜のリプライが殺到しました。

「お手ては出すのね」
「あの有名な貯金箱みたいだ」
「手がパーになるのやばい」
「猫チャンの方が上手だにゃ」

ジルさんによると、ベッドの下に隠れていたのは、もと捨て猫の女の子、凪ちゃん。投稿された動画は、現在一時的に凪ちゃんを預かってくださっているお家の方が撮影したものだそうです。

野良だった頃の恐怖と不安から、保護当初は人間を全力で警戒し、心を閉ざしていたという、凪ちゃん。今では「ちゅーるのお皿」を取り合いっこ出来るほど、人間に心を許してくれるようになった凪ちゃんの可愛い動画について、猫の保護シェルターを運営するジルさんにお話を伺いました。

ーーリアル「猫の貯金箱」みたいな凪ちゃんのお手て遊び、すごく可愛いですね。

「凪ちゃんは今、一時預かりさんのお家の猫たち6匹と一緒に暮らしているのですが、ちょうどおやつタイムに凪ちゃんはたまたまベッドの下にいたため、出ておいでと促すつもりでベッドの手前に置いたところ、あの攻防戦になったそうです。過去にも同様の攻防があったそうなのですが、動画を撮ったのは初めてだそうです」

ーー凪ちゃんはもと捨て猫さんなのだとか。

「遺棄されたとみられる凪ちゃんを今年の1月半ばに保護し、里親さんを探す予定で、人に慣れることと家猫になる訓練をするため、現在、一時的に預かってくださっている方のところに移動しました。おそらくですが、2020年の3月頃に生まれた子なのではと思います」

ーー「ベッドの下にいる凪ちゃんとはこの方です」と投稿されていた、凪ちゃんの美猫ぶりに驚きました。

「保護当初はあちこち薄汚れていてぼろぼろで、目つきも鋭かったのですが、一時預かりさんのお宅で過ごすうち、優しく可愛い顔になり、お姫様みたいだね、と話していました。長期にわたる人慣れと家猫訓練を経て、最近は甘えてくれるようになったそうです。活発で他の猫たちともよく遊びます。ベッドの下も遊び場になっているそうです」

ーー引きこもってたわけじゃなく、ベッドの下がお気に入りの場所なんですね。ジルさんが保護猫シェルターを運営されるようになったきっかけは?

「以前から、保護猫シェルターをいつか持てたらいいなと何となく考えていたのですが、猫のボランティア活動を続けるなか、私が担当していた現場で悲惨な虐待事件が起こりました。2018年からの3年間で、約100頭の猫がエアライフルで殺傷された事件です。生き残った猫たちをどうしても救いたいという気持ちから、一念発起してシェルターの運営を始めることにしました。

当初はその虐待現場で保護した子たちのための避難所でしたが、遺棄されたり、無責任な餌やりにより増えてしまい、行き場がなくなった猫たちの受け入れと里親募集を、無理のない範囲で行うようにしています」

ーー衝撃的な事件が運営のきっかけだったのですね…。

「特に昨今、コロナ禍で捨て猫が増えてしまっている現状があります…。私のもとに来た子たちには、愛情をたっぷり感じてほしいと願っています。シェルターを始めたことで活動の幅が広がりました。協力者も増え、助けられる子たちも増えました。

虐待現場で生き延びた子たち、これから里親様と出会う子たち、いろいろな事情で行き場がなくなった子たちも、暖かい部屋で美味しいごはんを食べて、それぞれ好きなように過ごすのを見るのが嬉しいです。シェルター運営を決断して本当に良かったと思っています。今は多忙なため、なかなか時間が取れないのですが、いつかシェルターを猫たちの遊園地にしたい、というのが次の夢です」

 ◇ ◇

無責任な人間のせいで、想像を絶する辛い思いをした小さな命。それでも、ゆっくりと時間をかけ、惜しみない愛情を注がれ、”人間”を信じる心を取り戻してくれたもと捨て猫の凪ちゃん。ベッドの下からにゅーっと出てきたもふもふの可愛いお手ては、人と猫との愛と信頼の証、なのでした。

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