「新物」の季節!いちばんフレッシュなオリーブオイルを味わおう

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深まりゆく秋の楽しみといえば、新米、新蕎麦、新酒といった新物。オリーブオイルにも新物があることをご存知でしょうか。日本では小豆島がオリーブの産地として有名ですね。
今回は、収穫期を迎えた摘みたてのオリーブからつくられる、新物のオリーブオイルについてご紹介します。


バージン・オリーブオイルは、生搾りのジュース!

オリーブはモクセイ科の常緑高木。世界各地で栽培されている品種は、1200以上ともいわれています。若い果実は艶やかな緑色で、完熟すると黒紫色に変わります。果実の大きい品種は塩漬けに、果実の小さい品種は含油率が高いためオイル加工に向いています。
栄養面では、酸化しにくい特徴をもつ不飽和脂肪酸のオレイン酸と、抗酸化作用の高いビタミンEが豊富に含まれています。菜種油やひまわり油といった種由来のオイルとは異なり、オリーブは果実そのものにオイルが含まれているのが特徴。生の果実から加熱処理や化学処理をせずにつくられるオリーブオイルは、いわばオリーブの生搾りジュースなのです。


日本のオリーブ4大品種とは?

小アジアが起源とされるオリーブは、紀元前14~12世紀頃にはギリシャへ渡りヨーロッパに広がったとされています。現在は、スペインやイタリアなどの地中海地域が主な生産地で、アメリカ、中国、日本など、世界中で栽培されています。
香川県の小豆島に、初めてオリーブが入ってきたのは1908(明治41)年のこと。三重、鹿児島、香川の3県で、アメリカから輸入された苗木の試作を行ったのがはじまりです。そのなかで、小豆島の西村地区に植えたオリーブが順調に育ち、大正時代の初期には搾油ができるほどの収穫量になりました。当初は60品種が導入されたそうですが、現在小豆島で栽培されているのは「ミッション」「マンザニロ」「ルッカ」「ネバディロ・ブランコ」の4品種がメインです。
【小豆島の代表的なオリーブ4種】
⚫︎ミッション(Mission)
主要産地:アメリカ
果実:中型
用途:テーブル(果実加工用)、オイル
⚫︎マンザニロ(Manzanillo)
主要産地:スペイン
果実:中型
用途:テーブル
⚫︎ルッカ(Lucca)
主要産地:アメリカ
果実:小型
用途:オイル
⚫︎ネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)
主要産地:スペイン
果実:中型
用途:オイル
参照:道の駅 小豆島 オリーブ公園「オリーブ図鑑」


旬の味覚!新物のオリーブオイルとフレッシュな新漬け

オリーブの収穫期は10月から11月。イタリアでは10月下旬から11月の間に出回るオリーブオイルの新物(ノヴェッロ・オイル)が風物詩となっています。オリーブの実を若摘みしてつくられるノヴェッロ・オイルは、オリーブの果実そのものといったフレッシュさが最大の魅力。イタリアの新酒「ノヴェッロ・ワイン」も登場し、心待ちにした新物を楽しむ時期なのです。
日本でも、10月10日に解禁日を迎えた新物のオリーブオイルが出回っています。摘みたての実を塩漬けにした「オリーブの新漬け」もぜひ試したい逸品。果実そのものの風味を堪能できます。新米や新蕎麦、新酒なども出揃う、この季節ならではの旬の味覚を存分に楽しみたいですね。

・参考文献
吉田企世子『旬の野菜の栄養事典』エクスナレッジ
・参考サイト
道の駅 小豆島 オリーブ公園
日本オリーブ協会

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