3万円以上の支出増も!?家計を襲う、おうち生活での「使いすぎ」 デリバリーにサブスク…決めておきたいお金のルール

森川 みかん 森川 みかん

長びくコロナ禍のため、自宅で過ごす日常に慣れてきた方も多いことでしょう。中には「家で過ごすほうが、お金を使わないはずなのに、なぜかぜんぜんお金が貯まらない…」という方もいるのでは?そういう人は、おうち生活ならではの「落とし穴」にはまっている可能性があります。20代の会社員であるA太さんとB美さんのライフスタイルをもとに、おうち生活でのお金の使い方の注意点をご紹介しましょう。

A太さん…知らず知らずの間に出費が増えて…

▽頻繁にフードデリバリーサービスを利用

外食できない日が続き、家での食事にも飽きてきたA太さん。気分転換にとデリバリーで食事を取ってみました。以前はデリバリーできる店が限られていましたが、今ではファストフードから専門店まで多種多様な店が揃っていて飽きることがありません。その手軽さと便利さに味をしめ、2日に1回は利用するように…。ときどき外食していたころよりも食費がかかるようになってしまいました。

・以前の食費 食費(自炊・コンビニなど)約3万1500円+外食費約1万2000円
・おうち生活での食費 食費(自炊・コンビニなど)約2万3000円+デリバリー費約3万円
→約1万円円増!

(※)1人暮らしの場合。朝食1回100円、在宅での自炊やコンビニでの食事1回500円、フードデリバリーサービス1回2000円(配達手数料、サービス料含む)✕月15回、外食(飲み会)1回4000円✕月3回として計算

   ◇   ◇

▽ネットショッピングで買い物しまくり

仕事もプライベートでも在宅で過ごす時間が増え、イライラがたまってきたA太さん。ストレス発散のために、コーヒーメーカーなどの家電やイスなどの家具、筋トレグッズなど、どんどんネットショッピングで買うようになってしまいました。

・以前の日用品費 約5000円
・おうち生活での日用品費 約2万円
→約1万5000円円増!

   ◇   ◇

▽オンラインゲームで課金

仕事の合間の息抜きにオンラインゲームを始めたA太さん。リフレッシュのつもりがだんだんのめり込むようになりました。最初は無料で遊ぶつもりでしたが、レベルが上がるにつれスタミナ回復アイテムなどがないとゲームが思うように進まなくなり、課金をするように。またレアアイテムを手に入れるため、「ガチャ」も行うようになりました。

・以前のオンラインゲーム費 0円
・おうち生活でのオンラインゲーム費 約5000円
→約5000円増!

   ◇   ◇

▽サブスクリプションサービスをいくつも契約

以前から毎月定額の音楽配信サービス(サブスクリプションサービス)を楽しんでいたA太さん。在宅時間が増えたことで、音楽配信サービスに加えて、動画配信サービスや雑誌の読み放題サービスなどいくつものサービスを契約し、うっかり解約し忘れていました。

・以前のサブスクリプションサービス費(1つ契約) 約1000円
・おうち生活でのサブスクリプションサービス費(5つ契約) 約6000円
→約5000円増!

(※)音楽配信サービス980円、動画配信サービスA社2189円、B社1026円、漫画読み放題サービス1480円、雑誌読み放題サービス550円として計算

   ◇   ◇

…A太さんはだらだらとお金を使ってしまい、気づけば以前に比べて約3万円以上も支出が増えていました。

実際のコロナ禍での消費の傾向は?

A太さんのケースは一例ですが、食費やネットショッピング費の増加といった傾向は、多くの世帯で見られます。総務省の「家計消費状況調査」によると、2020年~2021年はコロナ禍前に比べてネットショッピングの支出額が大きく増加しました。2021年7月の1世帯あたりのネットショッピング支出額は平均1万8223円と、2019年同月の1万4523円に比べて25.5%も増加しています。

また、SMBCコンシューマーファイナンスによる、「20代の金銭感覚についての意識調査2021」によると、「新型コロナウイルス感染拡大によって支出額が増えたものがある」と答えた人は調査対象者の53.8%。支出額が増えたものとして1位が「食品・飲料(酒類除く)費」、2位が「水道光熱費」、3位が「日用消耗品・雑貨費」、4位が「酒類費」、5位が「通信費(スマホ、インターネットなど)」となりました。おうち時間の増加で、飲食物・日用品の購入代金や光熱水道費・通信費などの固定費がかさんだ人が多数。さらに男女別で見た場合、男性は支出額が増えたものの3位が「ゲーム費」となるなど、ゲームに熱中する人も多かったようです。

同調査によると、ゲームでのアイテムの購入やガチャ等の利用にお金をかけている人の割合は調査対象者の12.2%。それらの人がひと月あたりにかけている金額の平均は4191円となっています。

B美さん…ルールを決めて使いすぎを防ぐ

では、A太さんのようなおうち生活での「使いすぎ」を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。B美さんの行動を参考に見てみましょう。

▽フードデリバリーサービスは特別な日だけ

急速に広まってきたフードデリバリーサービス。便利ですが、配送料やサービス料がかかるため日常的に利用すると大きな負担になります。B美さんはデリバリーを頼むのは誕生日やクリスマスなど「特別な日」だけに決めています。基本は自炊ですが、頻繁に買い出しに行くのは大変なのでネットスーパーを利用。まとめ買いすれば送料も安く抑えられます。疲れている日は、無理せずパスタソースや缶詰、冷凍食品を活用しています。

▽ネットショッピングでは即購入せず、いったん寝かせる

ネットショッピングでは購入ボタンを押すだけで簡単にほしいものが手に入ります。手軽な反面、それほど必要でないものを買ってしまうことも…。B美さんは「ほしい!」と思ってもすぐに購入ボタンを押さず、いったん「ほしい物リスト」や「お気に入り」に登録。後日見直してやっぱり必要だと思ったら購入し、衝動買いを防いでいます。

▽家計簿アプリで無駄な支出がないか随時チェック

動画配信サービスなどのサブスクリプションサービスは一度契約すると、自動で毎月お金が引き落とされます。そのためうっかりしていると「解約忘れ」が発生することも。B美さんはこれを防ぐため、家計簿アプリで収入と支出を毎日チェック。使っていないサービスに気づいたら即解約するようにしています。

▽オフラインの時間をつくる

息抜きの時間にオンラインゲームをしていると、いつの間にか夢中になって課金に走りがちです。B美さんは仕事や家事の合間には、目や体を休めるためにも、あえてスマホから離れ、外の景色を眺めたり軽くストレッチをしたりしています。

▽キャッスレスでも使いすぎない仕組みをつくる

在宅で買い物をする場合、キャッスレス決済は便利ですが、お金を使う感覚が薄くなる上、支払いの方法が複数に分散すると、何にいくら使ったのかわかりにくくなります。B美さんは家賃や水道光熱費などの生活費の支払いは1枚のクレジットカードに集約。自分の趣味に使う分は、毎月決まった額を月に1度電子マネーにチャージし、それ以上は使わないようにしています。

便利な時代だからこそ、「ルールを決められる人」が貯められる

インターネットで何でも買える便利な時代。しかし、ゲーム課金やサブスクリプションサービスなど、意識しないとお金をどんどん使ってしまう仕組みがたくさんあります。そのような仕組みに気づき、自分なりのお金のルールを決められる人が「貯められる人」への近道です。

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