「コロナ禍でも伝統を守りたい」四国の劇場が支援マグカップ販売 存続のための取り組みについて聞いた

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

中四国最後のストリップ劇場として運営する「ニュー道後ミュージック」(@NEWDOUGOMUSIC)が、劇場存続のための支援マグカップを販売。予約購入の受付をTwitter上で行っています。

「ニュー道後ミュージック」は、愛媛県松山市の道後温泉の温泉街にある劇場です。道後温泉といえば日本三古湯の一つとして名高く、地域は観光名所としても有名。

そのような恵まれた立地で活動してきた同劇場ですが、新型コロナウイルス感染拡大の煽りを受け、大打撃を受けています。

受け継がれた伝統を絶やさぬよう「みんなが楽しめ、活躍できる場」をつくる

日本におけるストリップ劇場の起源は1947年(昭和22年)と言われ、以来、昭和を代表する大衆文化の一つとして根付いてきました。

しかし、時代の移り変わりや風営法などの事情により業界は衰退。2021年5月に中国地方唯一の劇場であった「広島第一劇場」が閉館するなど、業界全体が存続の危機にさらされています。

そのような苦境の中、「ニュー道後ミュージック」では劇場の存続のためにさまざまな企画を実施。

ミュージシャンとのコラボやライブ、女性のお客も楽しめるショーなど、既存のストリップのイメージにとらわれない企画を開催し、2月の開運ストリップ、8月の怪談ストリップは名物公演として人気に。「みんなが楽しめ、活躍できる場」をモットーに運営を続けてきたといいます。

コロナでの経営難、支援を募りながらも活動を続ける

しかし、2020年に新型コロナウイルスが蔓延。同劇場をはじめ、地域の集客の大半が観光客でしたが、遠方から来られる方が激減し、本当に厳しい状態になってしまいました。

しかも、ストリップ劇場は業種的にコロナの支援金や行政の援助をまったく受けることができず、経営はさらに苦境に。

そこで、劇場ではクラウドファンディングを通じて支援を募るなど、存続をかけた新たな取り組みを開始しました。支援マグカップの予約販売もそのような取り組みの一つです。

元々のカップの色は青色で、瀬戸内海をモチーフにした劇場の看板色をイメージしたものでした。それを劇場内で使っていたところ、客から売って欲しいという声が多数寄せられ、支援マグカップとして販売することにしたのだそうです。

現在、人の優しさをイメージしたピンクのマグカップを限定色として販売しています。

支援マグカップの価格は4000円(送料込み)。予約販売はニュー道後ミュージックのTwitterのDMにて受け付けています。劇場は今後、どのように展開していくのでしょうか。

「まだまだ観光地も厳しい状況が続くと思いますが、これからも存続を目指して活動していきます。クラウドファンディングの支援者の半数が女性であったことから、女性のお客様も楽しめる企画内容を打ち出し、より集客に繋げたいと思っております」(運営会社社長・木村晃一朗さん)

「今のストリップ劇場は皆さんがもつようなひと昔前のイメージとはまったく違います。アート的芸術文化として、全国に残る数少ないストリップ劇場に足を運んでいただけたらと思います」(木村さん)

  ◇  ◇

「ニュー道後ミュージック」は、時代の変遷やコロナの危機の中でも、さまざまなイベントの企画や支援マグカップの販売を行うなど、存続をかけて精力的に活動を続けています。限定色支援マグカップの販売は、9月20日までを予定しているとのことです。

■「ニュー道後ミュージック」の公式Twitterはこちら→https://twitter.com/NEWDOUGOMUSIC

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース