犬は家族の一員です。できれば一緒に「同じ釜の飯」を食べたいもの。しかし、これまで意外とありそうでなかったのが犬と飼い主(人間)が一緒に食べられる食べ物でした。この点に注力し「ヒトとワンコが毎日いっしょに食べられる日常を作りたい」と、2018年にオープンしたのが東京・町田にあるワンズデイリーというお店です。
このワンズデイリーが製造・販売するのがドライフルーツやクッキーなどで、いずれも「ヒトとワンコが食べられる」ものだそう。ペットサロンなど一部ショップで直接購入できるところもありますが、基本的にはオンラインショップです。全国どこからでもオンラインで購入することもできます。
これらのおやつを取り寄せ、果たしてどんな味なのかを、実際に犬と一緒に食べながらレビュー。後半では、同店をプロデュースするお菓子料理研究家の森崎繭香(もりさき・まゆか)さんのコメントもご紹介します。
わんちゃん大喜びのワンズデイリーのお菓子
注文したのは「ドライすいか」(700円)、「たまごなしボーロ」(600円)、「米粉のにんじんクッキー」(600円)、「米粉のさつまいもスティック」(600円)、「米粉のきな粉クッキー」(600円)の5点。どのおやつもオシャレな仕上がりで、パッケージもかわいらしいものでした。
さっそく我が家の犬(2匹)と一緒にいただくことにしました。まず、「ドライすいか」。ドライフルーツは様々な果物のもの食べていますが、すいかのドライフルーツというのはなかなか珍しいです。一口いただくと、実にあっさりした風合いで後からスイカ特有の甘みが追い上げてくる感じ。我が家の犬(ボロニーズ・17歳)も、初めて食べたであろうその味に興奮の様子。ばくばく食べていました。
さらに犬の顔のカタチに作られた「たまごなしボーロ」は小麦粉、卵、乳製品不使用なのに口溶け感も十分の優しい味わい。
そして、犬の顔の刻印がなされた「米粉のにんじんクッキー」は、国産にんじんとりんごを加えたものでほのか甘みを感じます。
また、「米粉のさつまいもスティック」は安納芋を練り込んだもので、添えられた黒ごまとの相性抜群の止まらない味でした。
そして、最後が「米粉のきな粉クッキー」はかわいい犬型のもので、きな粉の香ばしさを感じながらも角がない優しい味でした。
いずれのおやつも素朴で美味しい味を楽しめるものでした。犬と飼い主(人間)が一緒に楽しめるものでありながら、絶対的な美味しさも追求した健康的なおやつと思いました。
一般的なペットフードは「食品」ではなく「雑貨」!?
このワンズデイリーをプロデュースするのはお菓子料理研究家の森崎繭香(もりさき・まゆか)さん。料理教室講師、パティシエなどを経てレシピ本の出版やメディア出演なども多く行っている方です。
森崎さんが特にこだわるのが「完全無添加」「食材」だそうで、バナナを除き全て国産の食材をおやつに落とし込んでいるのだそう。さらに、季節ごとに同じ果物であっても銘柄を変更するなど、「より美味しく」「より健康に」いただけるような配慮をされているそうです。
森崎さんに話をうかがいました。
「あるとき、愛犬のおなかに赤い湿疹ができました。病院で診てもらったところ、アレルギーなど食に起因する可能性が高いとのこと。アレルギー対応フードなどもありましたが、添加物などの説明を受け不安もあり、手づくりごはんにチャレンジしてみることにしました。
試行錯誤を続けているうちに、しばらくして愛犬のおなかから湿疹が消えました。ドライフードから無添加の手づくりごはんにしたことで、体への負担が少なくなり、また水分の摂取量が増えたことで老廃物をきちんと排出できるようになったのだと思います。
この経験から、お菓子料理研究家として『食』に関わる仕事をしているにも関わらず、ワンコの食については無知だったと思い知ります。『栄養バランスが良い』と勧められたドライフードを表示通りに与えていただけで、原材料や製造工程も細かく気にしたことがありませんでした。また、ペットフードやペットのおやつが法律的には『食品』ではなく『雑貨』という位置付けで販売されていることも認識していませんでした」(森崎さん)
ペットフードが「食品」ではなく「雑貨」だったとは……。さらに森崎さんはこの経験から本格的にワンズデイリーの立ち上げを目指したそうです。
「これを機にワンコの食事について本格的に学び、ペット食育士の資格も取得しました。『ワンコの食べ物と人間の食べ物は別』と当たり前のように考えていましたが、人間の基準で作られた、安全でからだにやさしい食べ物であれば、同じものをいっしょに分けあって食べられる。また、ワンコだって人と同じように、”おいしい”ものが食べたいはず。安心・安全で必要な栄養が取れるものだけ与えていれば、健康維持はできるのかもしれませんが、せっかくの食事です。『わぁ、コレおいしいな!』と喜んでくれるものを食べさせてあげたい……そんな想いからワンズデイリーを設立しました」(森崎さん)
「人生」「犬生」に彩りを添えられる商品を
ただし、あまり前例がない「犬も人間も一緒に食べられるもの」に対し、当初はお客さんの中には半信半疑になる人もいたそうです。
「オープン当初は『犬用でしょ? 気持ち悪い』とか逆に『人間が食べるものを犬にあげたら体に悪いんじゃない?』という誤解をもありました。しかし、活動を続けていくにつれワンズデイリーのコンセプトが徐々に浸透すると、『人間とワンコが同じものを食べられるなら、これほど安心なことはない』『一緒に食べられるなんて幸せ』という声がたくさん届くようになりました」(森崎さん)
ワンズデイリーでは、これらのおやつをもちろん「食品」として製造販売しています。
「保健所の審査を受け、人間用の菓子を製造する『菓子製造業』の許可を取得した厨房で作り、『人間用の食品」として製造販売しています。一方、作っているのはもちろん完全無添加。このことで『ワンコと人間が一緒に美味しく食べられる』ことを実現しています。ぜひワンズデイリーのおいしい無添加おやつとごはんを通じて、飼い主の皆さまの『人生』とワンコたちの『犬生』に彩りを添えられたら幸いです」(森崎さん)
ワンズデイリーの商品は完全手作り、無添加、自然由来の素材を使っているため、商品時期によって欠品してしまうこともあるようです。ぜひサイトをこまめにチェックして犬、そしてあなたのお気に入りのおやつを見つけられてみてはいかがでしょうか。
ワンズデイリー https://onesdaily.shop/