中国4000年より深い!?「ソバ」9000年の歴史

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦

 蕎麦(ソバ)の原産地は中国南西部からヒマラヤ辺りで、日本でソバの栽培が始まったのは縄文時代だそうです。日本では9000年以上昔の遺跡からソバの花粉が見つかり、そのころからソバが栽培されていたようです。「蕎麦」という言葉が歴史上初めて記載されているのは平安時代の文献です。

 江戸時代の中期まで「そば」は麺ではなく、「そばがき」として、そば粉を練って団子状にした、茹でた粘土のような形で食されていました。「そばきり」の名で、麺として蕎麦が食べられるようになったのは、まだ500年たらずのこと。

 古くは縄文時代から食べられてきたとされているソバ。なんとなくヘルシーなイメージがありますが、実は疲労回復や二日酔い予防など、私たちをパワフルにサポートしてくれる心強い食材です。不足すると疲労や体力低下に食欲不振やイライラを招いてしまうビタミンB群。代謝を促進し、食べたものをエネルギーに変える手助けとなるパントテン酸は疲労回復にも貢献してくれます。

 パントテン酸やナイアシンなどの成分は二日酔いにもってこいですし、ビタミンの一種であるコリンは、脂肪肝や動脈硬化を予防する効果もあります。さらに消化酵素であるアミラーゼやリパーゼも含まれています。ポリフェノールの一種であるルチンは、毛細血管を強化し、血圧や血糖値を下げ、膵臓(すいぞう)を活性化してくれます。

 他にもソバには便秘解消に効果的な食物繊維、ウイルスに強いカテキン、豊富なミネラルも含みます。動脈硬化や糖尿病、脳梗塞など、生活習慣病の予防に優れた力を発揮してくれる食べ物なのです。どうやらこれからは「シメのラーメン」はやめて「シメのソバ」に替えたほうがよさそうですね。

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