保護カフェにデビューしたばかりの子猫 幸せにしようと連れ帰ったが、逆に幸せもらう毎日

渡辺 陽 渡辺 陽

野良猫のたまり場にいた子猫たち

こてつくん(2歳8カ月・オス)とむぎちゃん(2歳8カ月・メス)は、総勢10匹を超える野良猫のたまり場にいた。

埼玉県に住む人から保護猫団体アニマルエイドに3匹の猫をTNRしてほしいという依頼があった。2019年1月23日、レスキュー隊が出動したところ、そこには10匹を超える野良猫が暮らしていた。成猫は捕獲後、依頼主が全頭TNRした。こてつくんとむぎちゃんを含む子猫5匹は里親を募集した。

人懐っこい可愛い子猫

福岡市に住むSさんは、2018年9月、14年間飼っていた先住猫を亡くした。ペットロスになりかけていた頃、寂しさを埋めるように保護猫カフェを訪れたという。

「そのうち、また猫を飼ってみたいという気持ちになりました。次はペットショップではなく保護猫の里親として、留守中も寂しがらないように2匹迎えようと思っていました」

当時、Sさんは埼玉県在住だったので、保護猫カフェアニマルエイドを知り、夫とちょうど遊びに来ていた長女と3人でアニマルエイドの保護猫カフェに行った。

カフェデビューしたばかりのこてつくんとむぎちゃんは、他の猫たちが走り回って遊ぶ中、テーブルの下でくっついておとなしくしていた。「抱っこしたり、遊んだりしたのですが、とても人懐っこくて、すごく可愛かったです」

娘が背中を押してくれたこともあり、Sさんは里親になると決心し、その日の夕方家に連れて帰ったという。

こてむぎちゃんに癒されて

「こてつ」という名前は、Sさんが提案。夫からアニメ「じゃりんこチエ」に小鉄という猫が出てくると聞いたが、Sさんは同じハチワレ猫だとは知らなかった。ぴったりだと思って、こてつくんに決定したという。「むぎ」は麦わら模様だったのと、女の子だったら可愛くて良いなと思っていた名前だったのでむぎちゃんにした。2匹合わせて「こてむぎ」と呼んでいる。

こてつくんはマイペースで少し臆病なおっとりタイプ。毛玉やフェルトのボールで遊ぶのが大好きで、パパが遊んでくれるまでずっと鳴いてせがむ。むぎちゃんは家族の膝の上が大好きで、一旦くつろいだら何時間でも乗っていたいタイプ。こてつくんより好奇心旺盛で物おじしないという。人懐っこい性格の甘えん坊で、赤ちゃんのように鳴いてついて回る。小さい頃から1人遊びが上手で、ネズミのオモチャがお気に入り。自分でくわえて飛ばして転がして、ずっと遊んでいる。

昨年3月、埼玉から福岡に引っ越したが、兄妹一緒だったからなのか、仲良く寄り添って、新しい環境にもすぐに順応した。

Sさんはこてむぎちゃんを迎えて本当に良かったと思っている。

「こてむぎが安心して過ごせるように、体調を気遣ったり環境を整えたりすることに日々喜びを感じています。じゃれたり、くっついて寝たりする姿を見ていると何ともいえないほっこりした気持ちになります。この子たちを幸せにしたいと思って迎えたつもりが、たくさんの癒しをもらい、逆に幸せにしてもらっています」

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