吉本興業所属の元プロ野球選手で、阪急―オリックスや阪神で活躍した星野伸之氏(55)が、小学4~6年生の野球少年・少女を対象にした野球教室「星野伸之野球アカデミー」を6月24日から開校する。
当初は5月スタート予定だったが、大阪府に緊急事態宣言が発出され延期となっていた。毎週木曜日の午後5時15分からの90分間、大阪府吹田市の万博記念公園スポーツ広場で開校。吉本の若手芸人によるガチンコ草野球チーム「上方ホンキッキーズ」のメンバーがサポートする。
野球初心者や、女子も参加OK。参加者ひとりひとりのレベルに応じて、マンツーマン指導する。現役時代は細身の体から繰り出す最速130キロの直球に、70~90キロのスローカーブ…と球速の遅さで鳴らした星野氏は「女の子でも、僕より速いまっすぐの球を投げられると思う。体が小さくても、スタートが遅くても大丈夫」と、妙に説得力がある自信を見せていた。
全国で開かれた野球教室の指導者として、少年少女を見てきた星野氏。初の本格的なアカデミー開校を前に、スタッフでミーティングを開き、子どもたちへの接し方や理論などを勉強し、共有してきた。「僕も勉強させてもらっている。ほぼゼロから作り上げる子もいるので、責任が重い。上手に伝えられるか…という難しさも感じるが、うまく投げられたとか、いい感触を持ってほしい」と、まずは野球の楽しさを伝える。
基本の動きや投球フォーム、スイングなどを徹底的に教えていきたいという。「同じ動きをしっかり伝えていきたい。球の握り方や投げ方も、人に見てもらうことは大事」とマンツーマンでの指導で、選手自身では気づかない悪い癖も、しっかり指摘していく。
星野氏は「アカデミーを通じて選手一人一人の個を伸ばし、それぞれのチームに帰っていった時に、そのチームの核になれるような選手に育てられれば」と目標を語る。
オリックス時代に、イチローの登場でチームが強くなった経験を踏まえ「プロもアマも一緒。4番・イチローのように、一人核になる選手が出ると、周りもそこに回そうとしてチームが強くなる。そういう選手を一番育てられれば」と意気込んだ。
4月には無料体験会で、30人を指導し「関西の子は物おじしない」と、うまくなることに貪欲な子どもたちに手応えを感じていた星野氏。アカデミーから未来の“星の王子様”が誕生するかもしれない。