「あぁ、おばあちゃんに会いたいな」金色の世界で頬よせ合う祖母と柴犬 孫が写す幸せな写真が、泣けてくる

太田 浩子 太田 浩子

「おじいちゃんとおばあちゃんと僕の作品」

というタイトルの写真がSNSで話題です。写真は、桜や紅葉、ひまわりなどの美しい景色の中で、おばあちゃんと柴犬の福ちゃんが寄り添っています。愛情あふれる優しい写真を撮っているのは、おばあちゃんの孫であり「僕」のYASUTO(@yasuto8888)さん。

 YASUTOさんの作品はこれまでも話題になってきましたが、5月31日にツイートされた「幸せそうな芝犬の福ちゃん。」の写真がまた大きな反響を呼びました。夕日に輝く満開のひまわりにかこまれて、おばあちゃんと額を寄せて目を細める福ちゃんの写真に、
「この今の世の中…いろんな問題がたくさん… でもYASUTOさんの写真はそんな事を忘れさせてくれる…幸せな写真 心がホッとします」
「いつも見させてもらってます。そして、自分のばあちゃん思い出して毎度泣いてしまいます。」
「幸福感や信頼感が伝わってきますね」
「わたしも福ちゃんのようにもっと祖母に寄り添えばよかった。」
「この写真を拝見してコロナで遠くに住む大好きな祖母のことを思い出しました。涙が出ました。早くコロナがおさまって大好きな祖母に会いたいです」
などのコメントが寄せられて、15.8万の“いいね”がついています(6月14日現在)。

 YASUTOさんが「おじいちゃんとおばあちゃんと僕の作品」を撮るきっかけになったのは、2015年におじいちゃんが亡くなったときでした。ポートレート写真を趣味で撮っていたおじいちゃんの遺影は、三脚を立てておじいちゃんが自分で撮影したものだと知ったYASUTOさん。2000年から写真を撮っていたのに、おじいちゃんを撮っていなかったことを後悔します。そして「おばあちゃんの遺影は自分が撮ろう」と決意しました。

 「親父も僕が野球をしているところを撮ってたし、おじいちゃんもポートレートを撮っていた。写真が身近な存在だったから、いつの間にか自分も撮り始めていた」と振り返ります。高校時代は、フィルムで撮った写真を友達にあげて喜ばれるのが好きだったそう。今みたいに友人同士で、気軽にスマホで写真を撮るという時代ではありませんでした。そのため、結婚式用の写真がないと友人に頼られて、撮っていた写真をあげることもあったそう。「そのときに撮っておかないと、あとから撮れない」からこそ、一期一会を大切に撮っていると言います。

「おばあちゃんの写真は、自然体を意識して撮っています。2回撮れない感じが好きなんで。たとえば藤の写真も、おばあちゃんにもう1回こういうポーズをとってと言ってもあの表情は出せない。だからその一瞬が撮れたときは嬉しいですね」(YASUTOさん)

 YASUTOさんは、仕事が休みの日に趣味で写真を撮っています。「コロナの状況を見ながら、出かける時間を大切に、一番はおばあちゃんの負担にならないように、これからもおばあちゃんと福ちゃんの写真を撮っていきます」と話すYASUTOさん。屋外での撮影日は、YASUTOさんのお兄さんが実家からお母さんと福ちゃんを連れて、別の場所に住むおばちゃんを迎えに行き、一人暮らしをしているYASUTOさんと現地で合流するのだそう。おばあちゃんにとっても、孫たちと一緒に出掛けられるうれしい機会になっています。

 「思い出」を撮ってきたYASUTOさんが、SNSに作品を投稿する理由について聞きました。

「僕がおばあちゃんの写真を残していっているのを見て、私も、僕も、撮ってみようかなと思って欲しいという思いがあります。最近は写真を撮ることも増えていると思うんですけど『家族の写真を残していますか?』と。おばあちゃんの米寿のお祝いの時に、おじいちゃんのアルバムを出してきて語りだしたのを見て、亡くなってからこうして見られるなら、やっぱりプリントしておかないといけないなと思いました。スマホやパソコンの中にあるだけではたぶんできない。大切な写真ほどプリントして、アルバムにとじておくことが大事だと思います」

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