くまごろうちゃん(9歳・オス)は、千葉県に住む渡辺さんの友人の友人が保護した子猫だった。商店街で母猫と一緒に親子3匹で暮らしていたが、母猫がいなくなり、やがて兄弟猫もいなくなり、1匹になっていた。2011年12月1日、保護主は、「このままだと危ない」と思い、捕獲器を使って保護したという。
母猫や兄弟猫と離れてひとりぼっち
渡辺さんは、友人から「友達が猫を保護したんだけど、どうかな?」と尋ねられた。
「友人からメールで送られてきたくまごろうの写真を見た時、『なんじゃこの毛玉は?』と思いました(笑)」。渡辺さんは、夫に「お見合いに行こう」とお願いしたが、拒否された。しかし、保護主が友人の友人ということもあり、友人も子猫を見たいと言ったので、夫抜きで見せてもらうことにした。
運命の猫だ!
2009年、渡辺さんは新居に引っ越しをした。もともと実家で犬を飼っていたので、いずれは犬を飼いたいと思っていた。しかし、猫を飼っている友人たちを自宅に招き、吹き抜けのあるリビングに通すと、口を揃えて「絶対猫が喜ぶ家だね」と言った。
「本当に皆さんにそう言われて、猫を飼うことも考えるようになりました。主人はその気が全くなく、乗り気じゃありませんでした。猫を飼いたいと思ってから2年ほど経って、やっと『その時が来た!』という感じでした」
2011年12月12日、くまごろうちゃんに会いに行くと、生後3カ月くらい、写真よりも小さく、くりくりした目で、とても可愛らしかったという。「もし引き取るなら」と、保護主と日程調整をしたら、最短の日が渡辺さんの誕生日だった。
「これは、私のところに来る猫だーーー!と運命だーーーと思った瞬間でした。家に帰って夫にどう話そうかと色々考えていたのですが、『決めてきたんでしょ』と、あっけなくOKしてくれて、それもまたびっくりという感じでした」
反対していた夫もメロメロに
2011年12月23日、渡辺さんは夫婦で、子猫を引き取りに行った。保護主から、トイレや使っていたマット、簡易のケージ、食器を譲り受けたので、そのままリビングに設置した。くまごろうちゃんは、家に来てしばらくはソファーの下にこもっていたが、見守ることにした。ごはんとトイレは、夫妻が寝ている時にしっかり済ませていたという。
「翌朝、猫じゃらしで釣ると、やっとソファーの下から出て来てくれました。その後は、だんだん普通に過ごしてくれるようになりました」
名前は、保護主がつけた名前を変えないことにした。口周りの模様を見て、「くまごろうだー」と思い、名付けたそうだ。「引き取ること決まって名前を考えたのですが、もう、あまりにもぴったりな名前過ぎて、他の名前が浮かばず、そのままくまごろうに」。最初、猫を飼うことはおろか、お見合いに行くことさえ反対していた夫は、くまごろうちゃんや後から来たハナちゃんを可愛がっているという。
「あまり世話はしないと言っていましたが、今では率先して色々やってくれます(笑)」