「この書類はダメだ」→同じ書類をもう一度送ると「OK」 日本人もマネすべき? アメリカ的な「ゆるさ」の強みとは

中将 タカノリ 中将 タカノリ

「この書類はダメだ」と言われて試しに同じ書類をもう一度送ってみると通ってしまうことがある…

アメリカで経験したずさんな書類審査について紹介した投稿がSNS上で大きな注目を集めている。投稿の主はアメリカ在住のエンジニアリングマネージャー、土居幸一朗さん(@kdoi)。

土居さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「一回ダメだっていうと洗練されて戻ってくると信じてる人っていますね、、」
「ダメだと言われて同じ列に並び直してOKだったことが何度かあります。アメリカあるあるですよねw」
「元銀行員だった父も、提出した書類を直せ直せと上司から言われてる内に、最終的に最初に持って行った形式に戻ってOK貰った事があるそうです。そこら辺の匙加減のいい加減さは、万国共通だったんですねw」
「ヨーロッパでも同じことを経験することが度々ある。ええことなんかどうなんか、担当者の権限が大きい。」
「今日ドイツでコロナワクチンの接種を受けたけれど、まさにそれだった。最初ダメと言われて、隣の窓口に行ったらokだった。」
「むしろ世界共通の現象かも。」

など数々のコメントが寄せられているが、土居さんの投稿には果たしてどのような真意があったのだろうか?ご本人にお話をうかがってみた。

   ◇   ◇

中将タカノリ(以下「中将」):今回のご投稿のきっかけをお聞かせください。

土居:私はずっとアメリカ企業に勤めており、ここ5年ほどは米国に暮らしています。私の投稿はアメリカでの実体験に基づいていて、今回もちょっとした書類手続きために身分証明書のコピーを送ったのですが、一度ダメだと言われたものを再送したらOKとなり相変わらずだと感じた次第です。

中将:土居さんはアメリカでのそういった現象についてどのようにお感じでしょうか?

土居:適当さにあきれてしまうこともありますしストレスを感じることもあるのですが、当地では「ゆるさ」について社会的合意があるように思います。日本を含めていろいろな国で「同じだ」という感想が寄せられたのは興味深く事実なのだと思いますが、こと日米の比較ではアメリカの「ゆるさ」は比較になりません。なぜいろいろな問題を抱えているアメリカが国として強みを発揮し続けているのかを個人的には常々興味深く思っているのですが、ひとつはこの官民問わぬ「ゆるさ」にある気がしています。

中将:比較にならない「ゆるさ」が強みになっているというのがアメリカのユニークさだということですね。

土居:やや話を広げすぎるかもしれませんが、今般のコロナ対応でも「ゆるさ」が良く出たところもあれば悪く出たところもありましたが、ワクチン接種が劇的なスピードで進展したりしたのは「ゆるさ」によって現場が柔軟に動けたことが良く働いたのかもしれません。

   ◇   ◇

【土居幸一朗さん関連情報】
Twitterアカウント:https://twitter.com/kdoi

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「私個人としては日本における伝統的な勤勉を美徳とする文化の上に、少しアメリカ的な"ゆるさ"が加わることで社会としてしなやかさと寛容さが生み出され、実用的な意味で強みが生まれるだけではなく、より誰にとっても生きやすい国になっていけるのではないかと思っています」と土居さん。

真面目で勤勉なあまり何ごとにも汲々としがちな我ら日本人。そろそろアメリカ人の精神構造を研究すべき時が来ているようだ。

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