安住アナの趣味は「名門校の入学式で記念撮影」 出張先の滋賀でも、その理由とは?

天草 愛理 天草 愛理

 「滋賀県の名門の彦根東高校っていうね、素晴らしい学校があるんですよ」「ちょっと1枚、失礼しようと思ってぱちりと撮りましたね。私のお気に入りの1枚」

 4月11日放送のTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」。TBSアナウンサーの安住紳一郎さん(47)が「全国各地の名門校の入学式で勝手に記念写真を撮る」という自身の風変わりな趣味について語っていたとき、不意に滋賀県彦根市にある記者の母校の名前が飛び出した。

 え、今、「彦根東高校」って言った?

 一瞬、聞き間違えたかと思ったが、安住アナが説明した「ちょうど彦根城の城内にあるんですよ」という特徴は母校に重なった。

 安住アナが母校の入学式で記念撮影していたことに驚いた。卒業生の一人として彦根東高の印象などを尋ねてみたい。ダメ元で取材を申し込むと、5月2日午前10時過ぎ、携帯電話が鳴った。

 「『安住紳一郎の日曜天国』のパーソナリティーをしております、安住ですが」

 なんと安住アナ本人ではないか。ラジオ番組の生放送中に公開取材した経験などないため、しどろもどろになってしまった。

 安住アナによると、彦根城の辺りを取材で訪れた際、彦根東高でちょうど入学式があり、生徒たちが誇らしげに校門をくぐっていた。スタッフや地元住民から「地元でとても有名な学校だよ」と教わり、「なぜか私も彦根東高校入学式の看板の横で写真を撮ってしまったということですね」と振り返った。

 身近なスタッフの中にも彦根東高出身者が何人かいると明かし、「皆さん優秀なので、滋賀の中できっと名門校、伝統校なんだろうなと思ってました」と印象を語った。

 生放送終了後に改めて取材に応じると約束してくれ、正午過ぎに安住アナから再度、電話がかかってきた。

 「全国各地の名門校の入学式で勝手に記念写真を撮る」という、安住アナの一風変わった趣味は、なんと2016年の彦根東高が皮切りだったという。以降、日比谷高(東京都千代田区)といった東京都内の高校のほか、埼玉県や北海道の高校も訪れ、これまで5校ほどで写真を撮った。

 基準は「地元の人が誇りに思っている伝統校」であること。「『みんなが誉れな感じで校門をくぐってるところに混ざりたい!』って感じ」と言う。

 彦根東高についても「『ジャイアンツの坂本(勇人)選手と写真撮りたい!』っていう感じに近いですね。『彦根東高校と写真撮りたい!』って」と力説し、「彦根東高の『真の入学試験』」とされる「東高体操」や全国高校総合文化祭の常連の新聞部など、彦根東高の知識を次々と披露してくれた。

 サービス精神旺盛な安住アナに最もお願いしたかったのが、彦根東高の入学式で撮影した写真の提供だった。どうしても見たい。「この写真、使いたいよね。でも、いろいろ出せない部分が写っちゃってるんで…。彦根東高校の入学式の看板の横に私と公表できない人が写ってるんです」と安住アナ。断られてしまうと、ますます見てみたくなった。

 今後はどこの名門校に姿を見せるのだろうか。安住アナはリスナーから「滋賀県のナンバーワン名門校」と指摘された膳所高(大津市)に触れ、「膳所高校にも行かなきゃ」と意気込んでいた。

 15分ほどの電話取材はあっという間に終わった。実際に話すまで「本当は怖い人だったらどうしよう」と不安もあったが、取り越し苦労だった。こちらが言葉に詰まると「私もインタビューする側に回ることがよくありますから、気持ちは150%分かりますよ。大丈夫です」と声を掛けてくれるなど、ユーモアがありつつも気遣いを欠かさない人で、すっかりファンになった。

 公開取材の翌日、彦根東高新聞部の顧問から連絡があった。番組内容を知った部員たちは大盛り上がりで、さっそく速報新聞を完成させたという。

 速報新聞は、番組内で数週にわたって彦根東高が取り上げられた経過をつづり、「滋賀県内のどこの高校を、何をもって名門校と呼ぶのかは難しい問題だが、どの高校も伝統や実績がある良い学校だ。安住アナが本校を訪れ、褒めてくださったことをうれしく思う」と締めくくっている。

 さて、京都新聞社がある京都府の名門校の入学式を安住アナが訪れる日は来るのだろうか。「そうね。でも、京都の人、そういうの、嫌がるでしょ」。冗談めかして記者をけむに巻いた安住アナであった。

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