ありそうでなかった「お風呂専用」マスク その細部チェックと入浴中のマスク浸透を予測する!

松田 義人 松田 義人

 3度目の緊急事態宣言にともない、温泉・SPAなどの中には現在休業している施設も少なくありません。一方、入浴という行為自体、人の生活に欠かせないものでもあるため、緊急事態宣言中であっても通常通りの営業を継続した施設もあります。

 とはいえ、営業中の温浴施設のうち、入浴中にマスクをしている利用者はほとんどおらず、たいていは口や鼻元を隠すことなく、そのままの状態でお風呂に浸かっています。中にはここぞとばかりに入浴中に大声で会話する団体を見かけることもあり「これ大丈夫なのだろうか……」と思ってしまうこともあります。

 そんななか、温泉・スパ情報専門メディア『ニフティ温泉』では、新しい温浴マナー啓蒙の意味を込め、お風呂専用マスク「おふろdeマスク」(780円・税込)の浸透を促しています。

 もともとは群馬県高崎市のスター商会というメーカーが開発したもののようですが、温泉ファンの間では静かに注目を浴びているアイテムです。今回はこの「おふろdeマスク」の細部をチェックしつつ、果たして今後入浴中のマスクが浸透していくかどうかも予測したいと思います。

 柔らかい透明の塩化ビニール製なので、万一の転倒などでも怪我のリスクを軽減できそう!

 145×220mmの平たいパッケージを開封し、「おふろdeマスク」を取り出します。マスク本体の素材は、一見フェイスシールドなどに用いられているPET樹脂のようにも見えますが、実際は柔軟性のある塩化ビニル。厚さ約1mmの柔らかい素材です。

 温泉などでは、泉質により床が滑りやすくなっていることも多く、さらに入浴時は大半が全裸。万一転んだりした場合は、モロに体に打撃が加わってしまいます。しかし、仮に転倒しても、柔らかいマスクなら体に当たっても痛みが弱く、また怪我のリスクを軽減できるので、塩ビはお風呂専用マスクとしては最適な素材のように思いました。

 

 

お風呂専用マスクとして、これ以上は考えにくいクオリティ

 続いて使い方を見ていきましょう。マスクを広げ、上下は鼻から顎、左右は鼻からこめかみまでをガードします。装着の際は、口元とマスク前方との間が約40mm(指3本分くらい)になるようにしてゴム紐を伸ばし、後頭部の2点で押さえるという構造。これによって一般的なマスクでよくある「耳が痛くなる」リスクも軽減しています。

 

 極めてシンプルに映る「おふろdeマスク」ですが、図で見るとわかるように、あらゆる問題を回避できるよう工夫されていることがわかります。塩ビ製なので、湯気の多い温浴施設であれば多少の曇りなどは出てしまうことはありそうですが、そうであっても、千円以内で気軽に購入できる専用マスクとして考えれば、これ以上のものはまずあり得ないだろうと思いました。

「お風呂専用マスク」の浸透のほどはいかに!?

 このようにほとんど難点がない「おふろdeマスク」ですが、現状ではまだまだ認知度は低く、一般化するには少々時間がかかりそうな気もしました。誰もしていない中での装着はちょっと恥ずかしい……というような心理的なハードルもあるかもしれません。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の収束の気配が見えず、変異株の猛威なども予測される今後は必須のアイテムになる可能性は十分。何かのきっかけを境に全国の温浴施設で一気に広まり、定番化されるようにも思いました。

 最後に、「おふろdeマスク」の啓蒙活動を行っているニフティ温泉の担当者の方に話を聞きました。

「全国の温浴施設の大半は、一般的なサービス業で求められる感染対策を実施しており、またお客さま同士の感染対策意識も高いように思います。その一方、お客さまの中には『温浴施設に行きたいのに、感染リスクが怖いので行けなくなっている』という声もあります。

 これらのことから、入浴時の不安を解消する一助として浴槽でも使用できるマスクを各温浴施設で利用できるようにしたらどうかというアイデアが弊社内で上がり、スター商会社製の『おふろdeマスク』を採用させていただき、お風呂でのマスク着用を呼び掛けています。

 特に『温浴施設を利用したいけれど、不安がある』という人には是非試していただきたいですね」

  より安全に温浴を楽しむ上での一助になるであろう「おふろdeマスク」。温浴施設を利用される際、ぜひともチェックしてほしいアイテムです。

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