「母」であることより「女」を優先するBさん シングルマザーが恋愛をしてはいけないわけではないけれど

長岡 杏果 長岡 杏果

シングルマザーに限らず、出産を経験した女性は誰かの「母」であり、誰かの「娘」であり、そして「女」でもあります。しかし、どこに重点を置くかは人によって違うようです。

これは私の友人Aさん(40代・会社員)から聞いた話です。

AさんとBさんはいわゆるママ友で、お互いの子どもを通して知り合いました。Bさんはシングルマザーとして3人の子どもたちを育てていて、二人はお互いシングルマザーという似たような境遇であることからいろいろなことを相談しあう仲だったようです。

しかし、ある日Aさんが「どうしても受け入れられないことがあって話を聞いてほしいの」と、私に連絡してきました。

シングルマザーは何を一番に考える?

Aさんからの突然の相談に戸惑いながらも「どうしたの?」と聞いてみると、「子育てはその家庭で違うとは思っているんだけど、どうしても私には理解できないの」と話し始めました。

話を聞くと、どうやらBさんは「母」であることより、「女」であることを優先にしてしまうところがあるようなのです。

Bさんには彼氏がいるらしく、その彼と一緒にいるために実家に子どもたちを預けて泊まりに行ってしまうことがあるのだそうです。しかも、週末だけでなく学校のある平日であろうと関係なし。子どもたちには「仕事」だと言っているようで、本当の理由は知らないのだそう。

いつか、彼氏と一緒に暮らすために貯金もしているようですが、その貯金のために犠牲になっているのが、子どもたちの食費や衣類など子どもに関する費用だというのです。

ネグレクトを疑う

「えっ、それってどういうことなの?」と、思わず聞き返すと、食べ盛りの子どもたちの夕飯はおかず一品だけらしく、たまにお裾分けでAさんが食材を持っていくと、子どもたちがAさんの手から奪い取るようにして受け取るという状況だといいます。

耳を疑うような話に「それってネグレクトじゃないの?」と聞く私にAさんは「恋愛をするのが悪いわけじゃない。でも、Bさんには子どもたちのことをもう少し考えてほしいと思う」と言いました。

さらに、自分の不在時に子どもたちを預けているBさんの母親に対しても、お金を渡して世話を頼んでいるようで、「雇っている」と話すのだそう。母親が高齢になってもいずれ面倒をみるという気持ちもなく、あくまでも「契約」という言い方をするBさんに対して、どう接していいかわからなくなってしまったということでした。

専門機関に相談

話を聞き、私は「無理してBさんの気持ちに寄り添わなくてもいいんじゃないかな?Aさんは子ども第一で考えている。Bさんは自分第一の人なのかも知れないよ。でも、いまの現状では子どもたちのことが心配なんだよね?なら、子どもたちのことは児童相談所や行政に相談してみるのもいいと思う」と伝えました。

Aさんは「部外者が相談してもいいの?」と言いましたが、子どもたちに何かあってからでは遅いからまずは知っていることを話すことが大事になると答えました。

その後、Aさんは行政に相談。Bさんの子どもたちは何度か児童相談所からの訪問を受け、Bさん自身も面談などを受けるようになったようです。

シングルマザーが恋愛をしてはいけないわけではありません。

しかし、いま目の前に居る子どもたちをないがしろにして進む恋愛の相手は、あなたの子どもたちを大切にしてくれる人ではないかもしれません。

いま一度立ち止まってパートナーとよく話し合ってほしいと思った一件でした。

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