漫画家でイラストレーターの「ミツコ」さん(@_3_2_5_)がツイッターに投稿した漫画が話題です。「何かやばいもんでも入ってるとしか思えないくらい衝撃的に美味いタレ」の正体が明かされる作品には2.3万のいいねがつき、「味わってみたい」「気になる」「バーベキューで使いたい」という声が上がりました。入手方法を調べてみました。
「秘伝のタレ」と思いきや
漫画のあらすじです。
ミツコさんは昔、当時住んでいた街のスーパーにやってくる、焼き鳥の移動販売車のとりモモ串が大好物でした。特にタレの味が「何かヤベーもんでも入ってんじゃないかってくらいおいしかった」。
家で再現しようにも皆目見当もつかない奥深い味。継ぎ足しの秘伝のタレだろうと思い、店主に「何が入ってるんですか?企業秘密ですか?」と尋ねると、
「あーこのタレ?…これこれ!日本食研のいろどり!」
有名調味料メーカーの業務用のタレだったことが判明しました。
投稿主「禁断症状が出るほど」
「食べたすぎて禁断症状が止まらない」というミツコさんに話を聞きました。
ーー味が気になって仕方ありません。
「一般的な焼き鳥のタレは醤油と砂糖とみりんベースだと思うのですが、そのタレは甘口で、まろやかな辛さとゴマやマスタード、唐辛子などのつぶつぶがたくさん入っていてお肉との相性抜群で白いご飯が欲しくなる味でした。いつもおじさんに『タレ多めで』とお願いし、そのタレを白いご飯にかけて食べたりしていました(笑)。それがまた最高で…!」
ーー漫画が大変注目されています。
「仕事の休憩中、お腹が空いて落書きのような感じで何気なく投稿したものだったので、まさかこんな反響をいただけると思わず、びっくりでした。こんなことならもっと丁寧に描けば良かったと(笑)」
家庭用商品の販売は?
焼き鳥店主が使用していたのは、「晩餐館焼肉のたれ」などで知られる調味料大手メーカー日本食研ホールディングス(愛媛本社、愛媛県今治市)の「焼肉のたれ彩(いろどり)」。内容量2kgの業務用商品です。
1988年に発売。1999年に味とパッケージがリニューアル。業務用カタログに味の説明がありました。
「洋梨やリンゴなどの果汁が入ったフルーティーな甘さに加え、韓国産唐辛子を使用し、まろやかな辛さを持つ焼肉のたれです。牛カルビ味付けはもちろん、プルコギなどのような肉と野菜の炒め物用味付けにもぴったりです」
家庭向けには販売していないのでしょうか。同社愛媛本社の担当者に話を聞きました。
ーー家庭用として入手できますか?
「大変申し訳ございませんが、『焼肉のたれ彩』は業務用商品として弊社の営業員が直接業務用のお客様に販売している商品で、主に全国の食品スーパーのお肉売場で販売されている味付け済みのお肉用や、外食店様にご利用いただいております。そのため、一般のお客様は購入することができません」
ーー家庭用商品の中で、似たような味の商品はありますか?
「一般のお客様向けの類似品はございません。ご紹介することができず、大変申し訳ございません」
今回のツイッターでの盛り上がりは担当者の耳にも入っていたそうで、一般向け商品がないことに恐縮しきりでした。
精肉部門担当者「これマジ旨い」
ミツコさんの作品を読んだ飲食店従業員やスーパー精肉部門担当者からは、「これマジ旨いんだよ」「よく売れるんだこれ」「このタレは本当にすごい」など提供側の生の声も寄せられています。
ミツコさんが最後に口にしたのは3、4年前だそう。
「引っ越して以来、なかなか行けなかったあの焼き鳥屋さんにまた買いに行こうと思ってます」(ミツコさん)
▽ミツコさん 漫画家、イラストレーター。ウェブマガジンwith onlineで婚活漫画「ピーナッツバターサンドウィッチ」連載中。2020年4月にはテレビドラマ化(MBS毎日放送)。インスタグラム(@__3__2__5__)