子どもと一緒に使えるネイルカラーが話題です。SNS上には「シンナー臭くない」「除光液なしでシールのようにはがせる」「子どもと一緒に楽しめる」「子どものために購入した」といった声が多数投稿されています。
「日本最古」絵具店が作ったネイル
注目のネイルカラーは、2010年に誕生した胡粉(ごふん)ネイル。「日本最古」といわれる1751(宝暦元)年創業の日本画絵具専門店、上羽絵惣(うえばえそう、京都市下京区)が手掛けました。
「有機溶剤不使用の爪に優しいネイル」をうたっており、ホームページにも「刺激臭が無く、除光液も不要なため、お子様が発表会などのおめかしをする時にも使っていただけます」とあります。
店長の西村由美子さんに話を聞きました。
ーー除光液なしでシールのようにはがせて、子どもにも使えると注目されています。
「お風呂などで被膜が水分の影響を受けてやわらかくなることで、ペロッとはがせることがありますが、爪質など個人差があります。シンナー系の有機溶剤を使用していないため、刺激臭がないことと、爪への負担が軽い点でお子さまと一緒にお楽しみいただいている方もいらっしゃるようです」
「お子さまが使われる時は保護者の方が爪の状態などよくご確認くださるようお願いしています」
社員6人で色や名前を考案
定番色は38色。老舗絵具店というだけあって色のネーミングには「瑪瑙(めのう)」「艶紅(つやべに)」「紫苑(しおん)」など、伝統色の名前が生かされており、雅なラベルデザインも目を引きます。
一方、「日本の伝統色が難しすぎるお子さまにも使ってもらい、色の感覚を親子で繋いでもらいたい」という思いから、パステルシリーズも登場。ミントアイス、おみかん、バナナ、いちごみるくなど、親子で使うことを意識したやさしい色と名前が並びます。
ーー先日、SNSで「岩波文庫の色にそっくり」と話題になった色も「おそら」という名前でした。
「『おそら』は当時の開発者がキッズネイルというくくりで、子どもさんに好まれる名前をと付けた名前です。現在は大人の方も『かわいい名前』と言って購入してくださいます」
ーー商品名はどなたが発案を?
「社員6人で色や名前を考えております。伝統色を伝えていきたいという思いでこれからも続けてまいりたいと思っております」
人気ベスト3…第1位はWEB限定カラー
人気の色ベスト3を聞きました。
【第3位】水茜(みずあかね)…「和色シリーズ」の中の1色。透明感ある淡い茜色は「太陽が光り輝いて見えるよう」。1324円(税込)
【第2位】古代岱赭(こだいたいしゃ)…落ち着きある深い茶色は大人の女性などに人気。昔、中国で採取された良質の土「代州岱赭」の顔料名「岱赭」からネーミング。1324円(税込)
【第1位】蘇芳(すおう)…オンラインショップと京都本店限定カラー。ボトルの見た目は紫色、爪に塗ると銅のような艶やかなブラウンに変わる。1527円(税込)
定番色以外に地域や期間限定カラーもあり。「この春は、金霞(きんがすみ)、煌び紅(きらびもみ)、光琳梅(こうりんばい)、麗ら菫(うららすみれ)の春の4色がおすすめです」(西村さん)。
▽胡粉ネイル…胡粉は日本画や能面、神社仏閣の壁画などに使われる日本古来の絵具。素材には天日干ししたホタテの貝殻を砕いた粉を使用する。京都を中心に、全国の化粧品店や雑貨店、オンラインショップなどで年間約29万本が売れている。