駐車場で暮らしていた妊婦の猫、捕獲後無事出産し、後から来る預かり猫の面倒も見るように

渡辺 陽 渡辺 陽

たぬぴーさんは、道路沿いの駐車場で暮らす野良猫たちのTNRをしようと思っていた。まだ保護活動初心者。捕獲機を使うのも初めてだった。最初に捕獲を試みたのは、妊婦の今にも出産しそうな猫。おまけに左後ろ脚のない猫だった。うまく入ってくれるのか、たぬぴーさんは固唾をのんで見守った。

 

駐車場にいた妊婦猫、後ろ脚がなかった

大阪府に住むたぬぴーさんは、2匹保護猫を飼ったのを機に少しずつ保護活動を始めた。会社の帰り道、いつものように野良猫の様子を気にかけながら歩いていたのだが、自販機の下で震えている子猫を発見したが、ひどい猫風邪と真菌で状態が悪かったので保護。たらこちゃんと名付けて飼っている。

たらこちゃんを保護した駐車場は、すぐ前が交通量の多い道路で危険な場所だった。数匹残っていた野良猫のTNRをしようと思ったたぬぴーさんは、えさやりをしている人に出会った。しかし、えさを与えるだけで不妊手術をする気はないようだった。

ほとんどの猫が駐車場の車の下にいたが、2017年の春、1匹の猫が出てきた。お腹が大きく、なんだか歩き方がおかしい。よく見ると左の後ろ脚がなかった。

「地面にくっつきそうな大きなお腹で、うまく捕獲機に入ってくれるか心配でした。初めて捕獲機を使ったのですが、なかなか中に入らず、踏み板を踏むまでに時間のかかること!それでもなんとか無事保護できました」

出産、子猫たちの里親も決定

一緒に捕獲したボランティア仲間が「これだけお腹が大きくては、堕胎手術は難しいかも」と言ったので、たぬぴーさんは、家で出産できる環境を整えてあげようと思い、連れて帰った。

先住猫のたらこちゃんと同じ駐車場にいたので、たらこちゃんにちなんでしらこちゃんという名前にした。

しらこちゃんは6匹出産したが、2匹は亡くなり、4匹生き残った。人間が何もしなくてもちゃんと授乳して世話をした。子猫たちはすぐに里親が見つかって、それぞれの家庭に旅立った。

保護活動の良き相棒

たぬぴーさんは、最初、しらこちゃんの里親も募集した。2、3歳だったので、年齢的にはまだ里親がみつかると思った。しかし、まったく人なれしていないしらこちゃん。たぬぴーさんには少しずつなれてきたが、手がかかる子ほど可愛く、だんだん愛情がわいて手放せなくなったという。

穏やかな性格で、たぬぴーさんが保護して里親を募集している子猫たちの世話も、母猫のようにしてくれる。たぬぴーさんの保護活動を支える相棒でもある。

いまではたぬぴーさんには心を開いて撫でることができるようになった。撫でるととても気持ちよさそうにしているという。

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