ああ、大事な段ボール箱がどんどんダメに…「貼れば貼るほど破れるテープ」 斬新なアイデアに大絶賛

山本 明 山本 明

 「貼れば貼るほど破れるテープを考えた」という、謎めいた文言と共にツイートされた、段ボール箱の画像が大きな注目を集めています。箱の表面には、雑にテープをはがしたあとが幾筋も。実はこれ「はがしあと」柄のデザインテープなんです!だからこそ「貼れば貼るほど」「破れ(て見え)る」、というわけです。何という奇想天外な発想でしょう。現代SF界の巨匠、クリストファー・ノーラン監督作品の登場人物のように「パラドックスだ…!」と画面の向こうに叫びたくなりますね!

 この矛盾と魅力に満ちたパラドキシカルなテープを考案したのは、もにゃゐずみ | MONYA(@Monyaizumi)さん。1月22日の発明告知ツイートには2月6日現在、20.8万ものいいねがつき、2.9万件リツイートされています。

 これまでも、資料を入れると「あの絶望感」を追体験できる「フリーズファイル」や、場に広げれば広げるほど「殺伐とした空気」が漂うエラーメッセージ模様の「エラートランプ」などの発明品でネットを沸かせてきた、もにゃゐずみさん。今回のテープ発案の経緯と、ひらめきを得るために常日頃から心がけていることを聞きました。

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――この上なく斬新なテープです。

 商品の梱包作業でテープを扱うことが多く、デザインテープを一度作ってみたいという漠然とした好奇心が結構前からありました。梱包作業となれば、テープだけでなく扱う段ボールの量もはかり知れず、ある日、破棄する段ボールを解体している最中に「この破れた部分の模様をテープにしたらおもしろいんじゃないか」とふと思い立ったという流れです。

 「テープ」「段ボール」という梱包に於(お)けるツートップを掛け合わせて生まれたのがこの作品です。

――商品ページを拝見しました。現在、当該テープは開発中とのことですが進行状況はいかがですか。

 現在最終デザインが完成し、量産時の試作品を生産中です。仕上がりを確認して最終決定する予定で、そこで問題がなければ3月12日の販売予定日に間に合うかと思います。沢山の方々から欲しいというありがたい声をいただいているので、何としてでも商品化したいと考えています。頑張ります!

――告知ツイートに大反響がありました。「天才」との声も寄せられています。ぜひ感想をお聞かせください。

 個人的にもかなり満足のいく作品だったので、反響に関してはとにかく嬉しいです。純粋に楽しんでくれた方々、反応してくださった方々、これをきっかけにフォローしてくださった方々、欲しいとコメントしてくださった方々、感謝しかないです。ありがとうございます! 

――作品を拝見すると、全く新しい視点で世界を眺めるかのような発想力に驚かされます。常日頃、どんなことを考えながら生活していますか?またインスピレーションを得るのはどんな時ですか?

 「日常で心が動く瞬間」は無意識なのでわからないです。どちらかというと、閃いたときに「ああ、あのとき心が動いていたんだ」と後で気づくという感じかも、です。

 「閃く瞬間」は、これはこれで不規則なんですが、強いて言うなら誰にも干渉されない場所でマジカルバナナをしているときが多いです。どんな時にどんなアイデアが出てくるかわからないので、「考えられる時は常に考える」ということは意識してます。

――常に「思考」が「実行」されている、と。

 そこからさらに最近特に心がけているのが、「自分の脳に抗わない」ことです。具体的に言うと、その時々の環境や気分の浮き沈みで自分がベストを出せる思考法を選んで取るようにしています。

 同じクリエイティブ業でも、ブレストして思考をひたすら広げる、アイデアを客観的に捉え論理的に整理する、無心に手だけ動かす、など頭の使い方の塩梅(あんばい)は内容によって異なります。

 勿論これらを経験に基づいて変幻自在にカチカチと切り替えられるのがプロだと思いますが、その時々の精神状態や環境でベストパフォーマンスが出せる思考法はどうしても異なると僕は考えています(少なくとも僕はそうです)。

――自分の思考(志向)を信頼する、ということですね。

 なので、今どういう思考回路を組みやすいかを自分に問いかけて、それに素直に従うようにしています。そこで考えたことはぜんぶメモとかに記録して、別の時にそれをまた別の思考法で整理したり広げたり実装してみたりします。

   ◇   ◇

…最後に数々のユニークな発明作品を購入した人に、どんなふうに楽しんでもらいたいかを伺いました。「手にした人それぞれが、いちばんおもしろいと思う方法で使ってもらえたら何よりです。好きなように使ってください!こちらからご提案した使い方で楽しんでもらってももちろん構いませんし、独特な方法で使ってもらえるのも自分の作品の可能性を他の人が広げてくれている感覚があって嬉しいです」(もにゃゐずみさん)とのことです。

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■作品購入はこちらから https://monyaizumi.stores.jp/

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