いまは私と同じく、シングルマザーになった友人Aちゃんですが、結婚当時、義母C子のとんでもない行動に頭を抱えていました。今回はそんな友人Aちゃんのお話をしようと思います。
Aちゃんの義父母は女の子に恵まれず、娘を育てることに憧れがあったようです。そのせいか、Aちゃんのお腹の子が女の子とわかったときから喜びのあまり、毎日がお祭り騒ぎだったそうです。
妊婦検診への付き添いに始まり、驚くことに出産の立ち合いも希望する程だったそうです。
「喜んでくれるだけマシだと思ってるよ」がAちゃんの口癖でした。
出産後は産院に毎日朝晩と見舞いに訪れ、義母は初孫に「ママですよ~」と語りかけていたそうです。
退院したあとも、連絡一つせずに突然友達を連れて訪ねてくるのは日常茶飯事で、孫に自分のおっぱいを吸わせようとすることもあったそうです。
ハチミツ入りの食品を食べさせようとしたり、口移しでものを食べさせようとするなど、Aちゃんにとっては生まれたばかりの娘と同じくらい目が離せず、気の休まらない日々でした。
その度にAちゃん自ら注意をしたり、それでも直らないときは夫からも注意してもらいつつ、時々友人である私の家に避難してくることもありましたが、なんとかやり過ごしていました。
Aちゃんが復職することになったとき、C子は「保育園に預けられる孫ちゃんがかわいそう。働かなければならないなら、同居してはどうかしら?」などとしつこく話してきたそうです。
だんだんと会話をすることも面倒になり、のらりくらりとかわしていたAちゃんにC子はしびれを切らしたのか、Aちゃんの実家に出向き直談判したそうです。
C子は、「私と夫が仕事を引退して、孫の面倒を見る。それなら、Aちゃんは職場復帰後すぐ毎日でも残業ができて、気がラクでしょう。あとはしっかり稼いで私たちの面倒を見るだけでいいし、孫のことは私と夫で世話をするから心配はしなくていい」という内容だったそうです。
Aちゃんのご両親も空いた口が塞がらなかったそうです。
いつも明るく穏やかなAちゃんのお母様は、ほほ笑んで「お義母様のお気持ちはわかりました」と静かに答えると、C子は自分の勝利を確信してAちゃんを横目で見ると、ニヤリと笑ったそうです。
しかし、Aちゃんのお母様の言葉には続きがありました。
「自分たちにラクをさせろ、と?孫が保育園に預けられるのがかわいそう?こう言っては失礼かもしれませんが…息子さんに家族を養うだけの甲斐性がないことが原因なのは、理解していただけてますか?嫁の実家を訪れる前に、まず息子さんと話しあうのが先ではないでしょうか」
にこやかに話すAちゃんのお母様に、C子も最初こそにこやかに聞いていましたが、指摘されたことの意味がわかったのか徐々に顔が赤くなり、最後には怒鳴りながら帰っていったそうです。
それからもAちゃんにはC子による災難が続きます。
許可なく保育園へお迎えに行き、実家に連れて帰ろうとしたり、Aちゃん宅の合鍵を勝手に作るなど、トラブルが後を絶ちませんでした。
Aちゃんのご主人が不倫したときも、C子がAちゃんの会社に乗り込み暴れたせいで、Aちゃんはせっかく復帰した職場を退職することとなってしまいました。
しばらくして、Aちゃんはご主人との離婚を決意しますが、離婚協議の間も本当に大変そうでした。
ですが、たくさんの困難を乗り越えて、Aちゃんは現在お子さんと2人で楽しく暮らしています。
そしてC子はというと、自分の夫の生活習慣病が悪化してしまい、夫は杖がないと歩くことも、仕事に行くこともままならずといった状態で、介護に忙しいC子は大好きな孫にも会う時間も作れないそうです。
Aちゃんの元ご主人は当時の不倫相手と再婚したそうですが、もともとの浮気癖にくわえて浪費家でもあるため、新しい奥さんにも愛想をつかされて2度目の離婚も秒読みといったところのようです。
いまの状況を聞いて私は思わず、「因果応報って本当にあるんだな」としみじみしてしまいました。そして、これから先も苦労した分だけAちゃんにいいことがあることを願っています。