猫は濡れることを嫌うのに…お風呂大好きな猫がいた 本当は毎日入浴したい?

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 猫には人と同じように性格の違いがあり、本当に個性豊か。私たちは、日々の診療においてもその子の性格に合わせて、声のかけ方や触れあい方を変えています。

 いろいろな子がいる中でも、メープルちゃん(10歳・メス)は特に個性的な猫ちゃんです。

 子猫時代から異色を放つ存在で、診察中は他の猫ちゃんと同じように、警戒心が強く女王様気質なのですが、診察が終わると、待合室でわんちゃんのように床にゴロンと横たわっていたり、椅子の上で外の景色を眺めたり、緊張感はどこへやら、こちらがびっくりするほどの大胆ぶり。

 そして、お家でも猫とは思えない習慣があるのです。それは、今でこそ落ち着きましたが、小さい頃は、とにかくお風呂が大好き。

 お母さんがお風呂に入るとドアの前で待っていて、入れてもらえないと、お父さんの時にチャンスを狙います。メープルちゃんの希望としては毎晩「入浴」したいくらいだったのですが、びしょ濡れのメープルちゃんを乾かすのは大変なので、時々入浴許可がおりるのでした。濡れることを嫌う猫が多い中、本当に珍しいことです。

 先日、鍼灸治療のために来院した同居犬のセントバーナード・ハロルドくんと一緒に、メープルちゃんもワクチン接種に来てくれました。ハロルドくんもまた、待合室でゴロン。診察も待合室でするのがお決まりになっているのですが、メープルちゃんはハロルドくんを横目に診察室に入り、ワクチン接種が終わると、「病院は嫌いなのよ」というお顔をしながらもバッチリカメラ目線をしてくれました。

 診察後は大好きなお父さんに抱かれて、ハロルドくんを見守りながら、病院を後にしました。

 これからも、メープルちゃんの珍エピソードを期待したいと思います。メープルちゃん、元気に過ごしましょうね。

◆小林由美子(こばやし・ゆみこ) 獣医師。1990年開業の埼玉県ふじみ野市「こばやし動物病院」院長。米国で動物の東洋医学、自然療法を学ぶ。治療はもちろん予防やしつけなどにも造詣が深く、講演活動も行う。ペットと飼い主双方に寄り添う診療が信頼を得ている。

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