味わいのある消しゴムはんこの人物像をSNSで見つけました。ほんの一瞬だけ見せるその人の“素”の表情を切り取ったようなタッチは、あのナンシー関さんの画風を思わせます。ツイッターで作品を公開しているcyankinさん(@cyankin2)さんに聞きました。
「小さな託児所を夫婦で経営してます。」とプロフィル欄にあるアカウントで、「またくだらん物を彫ってしまった、、、」と自嘲しつつ、著名人やプロレスラーを発表しています。作品の構図や描かれた人物の目線から「ナンシー関思い出します」「皆凄くイイ味出てます」といった熱い反応も。昨年6月にはマツコ・デラックスとアマビエが融合した作品「アマビエDX」が神戸新聞に掲載されました。
―消しゴムはんこを始めたきっかけを。
「モハメド・アリが2016年に亡くなった時に観た追悼番組の白黒写真のポーズがかっこよすぎて、何かできないかな?と思い消しゴムはんこにしたのがきっかけです。ナンシー関さんはもちろん存じ上げていますが、きっかけはモノクロ写真です」
―作品で描かれた人物にプロレスラーが多いです。
「プロレス愛というか、小学生の時に観たタイガーマスク(佐山聡さん)がかっこよすぎて、プロレスラーの強さの憧れですかね~」
―手ごたえのある作品は。
「会心作というとオーバーですが、横綱千代の富士の錦絵がかっこよすぎて、自分も彫りたくなって消しゴムはんこにチャレンジしたんですが、結構大変でした」
―周囲の周囲の反応はいかがですか。
「私的にはマニアックなものやプロレスラー、その時目についたものを題材にしています。メリークリスマスと最後の晩餐を作ったんですが、園児からの評判は悪かったです」
―子供たちが喜ぶのは。
「評判が良かったのは、ラグビー選手のリーチマイケルさんです。ラクビー人気にあやかり彫ったら園児にウケました。妻は、浅田真央ちゃんのように奇麗に彫った作品をほめてくれます」
cyankinさんの創作は、ナンシー関さんにインスパイアされて…というわけではありませんでしたが、作品にこちらが影響され、久しぶりに「小さなスナック」「テレビ消灯時間」などを引っ張り出して再読しました。cyankinさん、これからも旬の人物はんこをお願いします。