1月2日から3日にかけて開催された第97回箱根駅伝の沿道観戦者数にSNS上で大きな注目が集まっている。
きっかけになったのは1月3日に公開された「月刊陸上競技」(陸上競技社)の「【箱根駅伝】沿道の観戦は約18万人 前年比85%減」と題する記事。
記事によると箱根駅伝の沿道観戦者数はここ数年120万人前後で推移していたのだが、2021年はコロナ禍の影響で18万人にとどまったのだという。たしかに数字の上では激減と言えるが、密を避けるよう行政やメディアから度重なる呼びかけがなされているにも関わらず、なお18万人もの人が集まったという事実。
関東学生陸上競技連盟の呼びかけ
「沿道で応援していただく皆様に、箱根駅伝は育てられてきました。 これからも、末永く愛される箱根駅伝でありたいと思っております。 是非とも、応援マナーにご協力をお願いします。」
この記事に対しSNS上では
「この情勢下でもだいたい15%は言うことを聞かない、と体感的にも納得できるデータが生まれた。」
「もし家族が写ってたら私は恥ずかしいし、電話して2週間くらいそのまま帰ってこないでって伝える。ただの風邪と言うけれど『感染力が非常に強く人によっては死ぬし、その時は家族が看取りたくても看取られることがない』っていうウイルスを遊んだり帰省したりで撒き散らすって絶縁もの。」
「割合で計算して判断することじゃない。呼び掛けや『自粛』という言葉では協力できない人がこれだけ居るってことが明らかになったことを問題視するべき。テレビで見た時、頑張っている選手やスタッフの感染可能性について思うとぞっとしたし、18万という数を改めて読んで更にざわざわしている。」
…など手厳しい意見が多数寄せられている。
飲食店がコロナ感染拡大の主犯かのように扱われ、時短営業を迫られている昨今。果たしてスポーツイベントという名目ならば大勢が集まることを許されるのだろうか?今回は箱根駅伝という日本のローカルイベントだったが、予定通りなら半年も後には東京オリンピックという国際的な大イベントが控えている。
伝染病の拡散を防ぐならあくまで数値に基づいたデータを参考に社会活動の制限を促してゆくべきだと思うが、実際の運用を観察すると、どうもその制限の有無には産業ごとのアナログなイメージや行政のご都合が大きく作用しているように感じられてならない。人間はどうにもバランスが悪い生き物だと感じられる今日この頃だ。