世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が続きます。
新型コロナウイルスの変異種について
英国で新型コロナの変異種が広がっています。(デンマーク、オランダ、ベルギー、オーストラリア、イタリアでも数例が確認されています。さらに、南アから流入したと思われるさらに感染力が強い変異種が発見されたと、12月23日に発表されました。)
ウイルスというのは常に変異をしていくもので、それ自体は驚くことではありません。問題は、変異によって、感染力や致死力が変化しているか、という点です。
その点でいうと、この新規変異株(VUI-202012/01)は、英国のウイルスゲノム解析・疫学・モデリング解析によると、今までの流行株よりも感染性が高い(再生産数(R)を0.4以上増加させ、伝播のしやすさを最大70%増加)ことが示されています。
現時点では、この新規変異株に関連した重症化を示唆するデータは認められていませんが、症例の大部分が重症化の可能性が低い60歳未満の人々であり、評価に注意が必要であるとされています。
現時点では、ワクチンの有効性への影響は不明とされていますが、各メーカーは、現在開発されている新型コロナワクチンは、新規変異株にも有効であるとの見解を示しています。
英国は、12月20日から、南東イングランドで「Tier 4」レベル(外出制限等を含む最も強い措置)を取っています。英国からの渡航者の入国を禁じている国は、40カ国以上となっています(12月22日現在)。一方で、欧州委員会は、物流が滞るのを避ける必要があるとして、加盟国に入国禁止を解くよう求め、フランスは12月23日、トラック運転手や帰国するフランス人等に限定して、陰性証明等を条件として、遮断していたイギリスとの通行を再開させています。
日本政府は、12月24日より当分の間、英国からの入国管理を強化し、現在日本人の短期出張者等に認めている帰国時の2週間の待機免除を一時停止し、中長期の在留資格をもつ英国からの外国人の入国を一時的に止めることとしました。(英国からの入国者数は、11月が1日当たり平均50人で日本人は約40人、12月は平均150人で日本人は約140人)
現時点で、日本において感染性の変化に影響を与え得ると考えられる新規変異株は見つかっていませんが、(万能ではないながらも)水際対策始め、可能な対応を迅速に取っていくことが求められます。