小6長女からママへの伝言メモ「急にたのんでごめん!」にネット感動…娘の変化は「この本の影響?」

金井 かおる 金井 かおる

 2児の母親が投稿したツイートが注目を集めています。投稿主は「しましま」さん(@shima_ryo_iku)。小学6年生の長女には自閉症(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)といった発達障害の傾向があるといいます。

 「今朝起きたら、小6娘(ASD+ADHD)からのメモが置いてあったんだけど、ほんとに行き届いた内容で感激してしまった… とくに最後の一文!!家族への気遣いがなかなか難しい子だったので(この辺、発達っ子の親御さんには分かって頂けると思う)成長してるなぁと」

 「ママへ」で始まる伝言メモの内容は、調理実習の授業に必要な物を用意したので、不足がないかどうか最終チェックをして欲しいというもの。簡潔明瞭な伝え方に舌を巻く大人たちが続出。さらには末尾の母親を気遣うひと言「あと、急にたのんでごめん!」には多くのユーザーが心を打たれ、7.2万いいねを集めています。

「もしかしたら本の影響…?」

 しましまさんの投稿は続きます。

 「もしかしたら先日購入したこの本の影響もあるのかなと。あれ以来、手元に置いては何かと読んでるので…」

 この本とは、小学生向けマナー本「自分をもっと好きになる ハピかわ かわいいのルール」。毎日の身だしなみや整理整頓術、お金の使い方など、生きていく上で必要な常識が1冊に収められたマンガ仕立ての解説書です。「ケンカしてしまった」「苦手な子がいる」「言いたいけれど言えない」など、大人でもアドバイスして欲しいコミュニケーション術も。さらには「ムダ毛が気になる」「生理が来たら」など高学年になると気になり始める体の悩みにも答えてくれます。

お母さん「生きやすさが変わる」

 投稿主しましまさんに聞きました。

 ――この本を知ったきっかけは?

 「この手の少女マンガ風なハウツー本があるのは、もともと図書館などで見かけて知っていました。見た目に反してとても実用的であるという噂もネットで聞いていたので、アマゾンで同様の本のレビューを何冊か見比べて、こちらを選びました」

 ――伝言メモの他に変化は?

 「髪の毛を積極的にセットするようになったりと、以前よりも『人からどう思われるか』を気にしてくれるようになったと思います。今まで私が注意するだけだと『ママは細かすぎ!』と受け入れてもらえなかったのですが、同じ事が本にも書いてあるので、ようやく一般常識として実感できたのではないでしょうか」

 ――出版社には全国から注文が寄せられているそうです。

 「そうした反響があることは、お聞きして初めて知ったのでビックリしました。とはいえ、私のツイートに寄せられたリプライや引用も『自分が子どもの頃に欲しかった』『わが家でも購入したい』『これの男の子版は無いの?』といった好意的なものばかりでしたので、なるほど納得!という感じです」

 「女子って大変だなと思いつつ、この本に書かれていることを知らずにいるのと知っているのでは、生きやすさが変わるように感じました」

出版社「大人が読んでも面白いを意識」

 同書の発行元、池田書店(東京都新宿区)の担当者に聞くと、しましまさんのツイートの影響で「社内の在庫がなくなりました」。「ネット書店様からのお客様注文数が増加し、急きょ重版することとなりました。同シリーズへの注文数も増加しました」とうれしい悲鳴でした。

 ――ネット上で話題です。

 「親御さんから『子どもの頃にこんな本が欲しかった』という声が届きました。まさに制作側がそんな気持ちで作っていたのでとてもうれしかったです」

 ――読者から感想は?

 「小学生女子たちからは、知らないことがたくさんわかった、悩んでいたことが書かれていてためになった、などの声をいただいています」

 ――編集する上で心掛けたポイントは?

 「小学生女子は『小さな大人』ですよね。大人が悩んでいることと似たようなことを悩んでいたりします。『かわいいのルール』は小さい頃に教えてほしかったこと、これからを生きていく上で知っておいてほしいこと、実際に今の小学生が悩んでいること、の3つをしっかり入れるように心掛けました。また、物語のなかで読者の共感を得ること、大人が読んでも面白いと思える内容であることを意識して制作しました」

漫画家「頑張ってよかったなー」

 マンガとイラストを手掛けたのは、漫画家の双葉陽さん(@hutaba_haru)。自身のツイッターにしましまさんのツイートを引用する形で「こうやって紹介して頂けるの本当に嬉しい」「1人の作家が表紙と漫画とカット全部描くということで大変だったけど、こうして評価して頂けることに繋がると本当に頑張ってよかったなーって思います」と喜びを表していました。

   ◇   ◇

▽「自分をもっと好きになる ハピかわ かわいいのルール」はぴふるガール編集部・編、双葉陽・マンガ、池田書店、990円(税込)

▽「わたしもHappy みんなもHappy ハピかわ こころのルール」伊藤美奈子・監、双葉陽・マンガ、池田書店、990円(税込)

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