私達が我慢の3週間と言われる中、菅義偉首相が、GoToトラベル全国一斉停止を発表したその夜に、自民党の二階俊博幹事長や著名人の方々8人程で会食されていたことに批判の声が高まっています。
私もこのニュースを最初に見たとき、怒りより何より、とにかく驚きで、思わず2度見してしまいました。もう少し前の時期ならともかく、医療体制が各地でひっ迫し、大阪市ではキタ、ミナミだけでなく市全域で深夜営業の自粛が要請され、GoToも停止され規制が強まっている中。しかも会食の参加者は全員70代以上で、お元気とは思いますが、万が一感染したら重症化のリスクも高い年代。ニュース番組では菅首相が「在席したのは40分だけ」と釈明されているVTRが流れましたが、そういう問題なのかな、と。
と同時に思ったのは、菅首相の周囲には、止める人がいないのか?という疑問。首相もお立場上、二階さんと関係上?顔を出さない訳にはいかなかったのかもしれませんが、列席者側からも「中止に」と言い出すことは難しかったはず。それなら側近の方等がこのタイミングでこの会食をする事がどんな事態をまねく恐れがあるかをご注進申し上げても良かったのでは?と思うのです。
菅首相には以前、テレビ番組でインタビューをさせて頂いたことがあるのですが、すごく穏やかで、はにかんだ笑顔が印象的な方。良い意味で、いわゆる「政治家」っぽくない方だな、と感じました。先日はネット番組に生中継で出演した際、「皆さん、こんにちは。ガースーです」と挨拶されたことも物議を醸しましたが、これも、誰もストップを掛けなかったのか、それとも逆に誰かが促したのかと不思議に思います。
ここだけの話、仲間内では、月亭八方師匠の事を、親しみを込めてこっそり「ポーやん」と呼んでいたりします。きっと師匠もご存知なんですが、それでももし師匠から「こんにちは、ポーやんです」と言われたら、ちょっとビックリしてしまう。コメンテーターや大学講師としても活躍されている野村修也弁護士も学生に「ノムシュウ」と呼ばれているそうですが、講義の冒頭で「ノムシュウです」と挨拶したら学生達にドン引きされたそうです(笑)。自分で自分のあだ名を呼んで笑いを取るって、自虐の要素もあって、実はかなり高いテクニックが要るんですよね。
今回の会食の問題などを受けて、自民党では大人数での忘年会の中止が続々と決まったとか。でも、一方で国民は「4人までなら良いけど、5人ではだめ?家族は?」「どれぐらい間隔を開けたら良い?」と振り回され、飲食店や宿泊施設などの経営者も翻弄され続けています。会食に行くべきか行かないべきか、もちろん菅首相ご自身が気付くべき-という意見はあるでしょうが、周囲には首相を経験された重鎮の方々も大勢おられるはず。政策や政局はもちろんですが、こんな場面でもアドバイスをされたらと思うのですが。「アベノマスク」の時も感じましたが、「首相」のまわりには「一般人の感覚」を持ち合わせた「腹心」はいないのでしょうか。自国の首相が「裸の王様」ではない事を願います。