黒板アートの世界がとんでもないことになっている!驚愕のクオリティ続々…コンテストも人気

黒川 裕生 黒川 裕生

黒板にチョークで作品を描く「黒板アート」の世界が、いよいよ大変なことになっている。その驚異的なクオリティで以前からSNSなどでは注目を集めてきたが、2015年からは黒板やホワイトボードのメーカー「日学」が、高校生を対象にしたコンテスト「日学・黒板アート甲子園®︎」を開催。創造性、芸術性にあふれる作品が全国から寄せられるようになり、ジュニアの部(中学生)が創設された17年以降は、参加校の裾野がさらに拡大しているという。2020年は新型コロナウイルス禍の影響で参加校数こそ伸び悩んだものの、チョークで描いたとは思えないほど緻密かつダイナミックな作品が数多く生み出された。

日学によると、6回目となる2020年大会にはメイン大会(高校生)には45校から101点、ジュニアの部には16校から27点の応募があった。メイン大会の応募作品数は、前回と比べると70%弱、参加校数は約51%。コロナ禍による課外活動の制限などが大きく影響したとみられる。

メイン大会の最優秀賞は…

今年、メイン大会の最優秀賞に輝いたのは好文学園女子高校(大阪市西淀川区)の「懐かしい未来」と題した作品。ボッティチェリの有名な絵画「春」をオマージュし、女子高生たちが楽しそうに戯れる、心が躍るような春の雰囲気を表現した。コロナ禍で失われた“当たり前の日常”への思いを込めたといい、油絵を思わせる重厚な筆致で仕上げている。

白板アート部門の最優秀賞は…

18年に創設された白板アート部門にも、目を見張るような作品が続々と寄せられた。最優秀賞を獲得したのは、東京都立六郷工科高校の「東京の夜景」。世界中に東京の街の美しさを伝えようと、ビルの窓ひとつひとつを細かく、そしてカラフルに描き込んだ。月と空をリアルに表現するため、写真を見ながら何度も描き直したという力作だ。

ジュニアの部(中学生)の最優秀賞は…

ジュニアの部は、「黒板の裏側はどうなっているのか」を考えて描いたという「セカイ創造」で川崎市立金程中学校が連覇を達成。想像上のモンスターや虹の上を走る汽車などを鮮やかな色使いで黒板に出現させ、オリジナリティを追求する楽しさを感じさせる作品になっている。

2021年以降もさらなる充実目指す

事務局は「2020年はコロナ禍で大変な状況だったが、Twitter企画やワークショップなども通じて、実りある黒板アート普及の活動ができた。応募してくださった学校だけでなく、残念ながら参加できなかった学校にも感謝したい」とする。文具事務用品などで知られる「ぺんてる」も新たに協賛に加わり、2021年以降もコンテストのさらなる充実に努める。

■日学・黒板アート甲子園® http://kokubanart.nichigaku.co.jp/

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