大阪市のJR大阪駅前にある歩道橋下に生えた大根が、8日までに何者かによって引き抜かれた。葉とともに白い部分がアスファルトのすき間から姿を見せ、ど根性大根としてSNS上などで話題になっていたが、突然姿を消した。
同日には「広島県産」とのラベルがついたワケギが埋められたが、なくなった。10日までに大根が引き抜かれたことでできた穴も砂利で埋められていたが、道路を管理する大阪市の担当者は「市では砂利で穴を埋めていません」と首をかしげる。注目を浴びたど根性大根をめぐって、ナゾがナゾを呼んでいる。
市の担当者によると、アスファルトから生えた大根は6日に確認された。個人での栽培や、通行を妨げるものであれば除去しないといけないが、話題になったこともあり「直ちに危険な状態ではないので、抜かずに様子を見ていた」という。
ど根性大根が引き抜かれ、代わりにワケギが埋められたことをニュースなどで知り「これは明らかにいたずらなので、撤去しようと…」と、9日夕方に歩道橋を確認したところ、埋められたワケギも姿を消していた。市の他部署でも、砂利で穴を埋めた形跡はないといい「動線を妨げるような穴があれば埋めに行くが、危なくないので」と説明する。
市の担当者は「もし誰かが植えたのなら探して撤去させないといけないが、大根が勝手に生えたものなら、道ばたに生えた雑草と同じ扱いになる」と、大根を引き抜いた“容疑者”探しはしないという。今後は、大根が生えてきた土の部分を覆うようにアスファルトで舗装する予定。取材も殺到したといい「道から大根が生えたことも、こんな経験も初めて」と振り返った。