車にひかれた茶トラの子猫を保護、気力はなく前足はグニャリと曲がっていたが… 助けた子猫はビッグに成長

佐藤 利幸 佐藤 利幸

熊本県在住の津川さんは昨年8月、仕事帰りコンビニに立ち寄った際、店の外でうずくまっていた茶トラの子猫を発見しました。猫好きの津川さんは子猫に近寄ってみると、その子猫はピクリとも動きませんでした。さらによく見ると、車にひかれたのか、前足はくの字に、そして尻尾も折れ曲がり、動く気力がない様子でした。毛も抜け落ち、元気もなく「このままではこの子の命はなくなってしまう」と思った津川さんはすぐにタオルにくるみ、車の助手席に乗せました。

向かったのは動物病院。実は津川さんが飼っている保護猫2匹もお世話になっている病院で、猫を保護するたびに診てもらっていたため、獣医師も「また保護猫ですね」と察してくれたといいます。「なんともいえませんが、しばらくお預かりします」(獣医師)と、子猫は即入院することになりました。

それから2週間が過ぎたころ獣医師から「無事に回復しました」との連絡があり、引き取りにいくことに。津川さんは「さて、家族になんと言おうか」と考えたそうです。実は、現在飼っている保護猫を引き取るときも、なかなか言い出せなかったのです。そして、今回のけがをした子猫のことも黙っていました。電話を切ってしばらしくして、意を決した津川さんは「保護猫がいるんだけど…」と打ち明けました。その反応は津川さんの想像通りで、「またか」という空気が流れたそうです。一方で、奥さんや子どもからは「で、いつ連れてくるの」とまんざらでもない様子でもあったため、「いつもとは違い、怪我をした猫」であることを説明し、了解を得ることに成功しました。

子猫を病院へ迎えにいくと確かに保護した日と比べて、回復した様子でした。ただ、前足は肉球が上を向いたくの字のまま。しっぽもダランと垂れ下がっていました。獣医師の話では、前足はこのままの状態で元に戻ることはない、命が助かっただけでも良かったとのことでした。実はこの獣医師は無類の猫好きで、自宅にも前足が不自由な猫を飼っています。津川さんはいろいろなアドバイスを受けることができました。

そして子猫を家に連れて帰り、いざ家族と対面。すると「かわいい」とすぐに受け入れてくれました。ただし、先住猫はただならぬ雰囲気を察したらしく、姿を見せませんでした。新入りの保護猫も新しい環境におびえたのかその後、家の隅に隠れて、出てこない状態がしばらく続きました。

あれから1年以上が経ち、「ココア」と名付けられたオスの茶トラの子猫、体重は3匹のなかでも最も重い5キロを超え、大きな猫に成長しました。一時は命の危険さえもありましたが、現在は先住猫とも仲良く過ごし、助けてもらった津川さんには毎日、顔をこすって甘えたり、得意のヘソ天ポーズで愛嬌をふりまいています。

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