ハリウッド注目の日本人女優は京大卒のメンサ会員! 全米大ヒット映画にメインキャスト出演の水原碧衣

八木 純子 八木 純子

 第77回ゴールデングローブ賞を受賞し、世界的に話題になっているアメリカ映画「フェアウェル」が、この10月2日からようやく公開された。そのメインキャストで今、全米や中国で注目を集めている女優が水原碧衣(みずはら・あおい)さん。京大卒で、早稲田大学法科大学院に進学した才女。そんな水原さんにインタビュー。彼女の魅力が日本で伝わる日もそう遠くないと思えた。

話題作とともに「水原碧衣」の名前も全米に広がる

 この映画は中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督が自身の体験に基づいた作品。2019年7月の公開当初はわずか4館での上映だったが、あっという間に全米891館に広がるほど話題になったそうだ。その後、ゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル映画の主演女優賞をはじめ数々の賞を受賞。日本でも公開を楽しみにしていた人は少なくなかった。

 ストーリーはニューヨークに暮らす主人公とその家族が末期がんで余命わずかな祖母に会うため、故郷の中国へ帰郷するヒューマンコメディー。従兄弟の結婚式を口実に親族が集まり、愛する祖母にがん告知をするべきか、それともウソを突き通すべきか、葛藤し、対立するのだが…。

 シュールなコメディーの結末は映画館で見てほしいが、その中で水原さんは重要な役どころとなる中国語が話せない日本人花嫁のアイコ役を好演。映画の中でいいスパイスになっていて、心をなごましてくれたり、笑いを提供してくれるなど、いい味を出しているのも見逃せない。

「女優になる夢」をもって中国に

 そんな水原さんは幼い頃から「女優になる夢」を抱いていたという。しかし「親が厳格で…」。一時は女優になる夢を封印し、京都大学法学部に進学。その後、早稲田大学法科大学院に進学したものの、女優になりたい思いが再び強くなり、東京で事務所探し。「高学歴タレントになるなら引き受けてもいいという話もありました。が、女優になりたかったので早稲田大学法科大学院を休学し、中国の『北京電影学院』への留学を決意しました」

 北京電影学院といえば映画関係の人材を育成する超名門だが、なぜ、中国?と疑問に思った。「幼少期に中国に住んでいた経験があり、中国語もある程度できたから」の回答に納得。そして、同大学の演技科を何と首席で卒業。その後、中国でドラマや映画に出演するようになっていった。

突然のオーディション話で人生が一変

 2018年春、北京に滞在中に突然、携帯電話に見知らぬ男性から仕事依頼の話が舞い込んだ。内容は「『26歳・日本人女性』という役のオーディションがあるから参加してほしい」とのことだった。「知らない人で、唐突だし、怪しいなと思って何度も断ったんですが『最寄り駅まで来ている』と、懇願されてしまった」

 外国人役者専門のエージェントを始めたばかりの人物で、この唐突な出会いが水原さんの運命を変えることになるとは予想だにもしなかった。何の作品かもわからないまま、オーディション会場では日本語で結婚式のスピーチをさせられたという。

 しばらくして日本に帰国中に再びエージェントから連絡が入り「監督が今から直接リモートオーディションをしたい」と告げられたという。「友人と外出中で今は無理とエージェントに言ったら無理な理由を説明した動画を送ってくれとなって、トイレで急きょ、『オーディションを今すぐには受けられなくて、すみません』という自撮りの映像を撮影して送ったら、合格だといわれました。もう、びっくり」

アメリカ、中国からオファー。これからが本領

 映画『フェアウェル』のメインキャストに選ばれたことで、女優「水原碧衣」へのアメリカや中国からのオファーは増えてきている。しかし、コロナ禍で日本での公開は半年も延び、決まっていた海外の仕事も全て無期限延期に。それでも水原さんは取材中、終始笑顔だった。

 「幼い頃からの女優になる夢をあきらめなかったからこそ、今があります。日本でも女優の仕事があればやってみたい」

 ちなみに、世界人口の上位2%のIQを持つ人だけが加入できる国際組織『メンサ』の会員でもある彼女。「能ある鷹は爪を隠す」ではないが、女優「水原碧衣」のさまざまな演技を映画やドラマで観たいと思っている人は多いはず。今後の活躍が楽しみな、今、最もホットな女優の1人ではないだろうか。

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