福岡市水道局が9月28日、ツイッターに投稿したグラフが注目を集めています。
「【日曜日の夜】ここ2ヶ月、普段と違い22時頃に一気に水が使われます。皆さん、それまで何をされていたのでしょう…?「水管理センター」では日々データの解析を行い、このようないつもと違う水の使われ方にも対応し、水道水を安定的に供給しています。」
「ここ2カ月の日曜夜10時頃」といえば、7月19日から9月27日まで放送された大人気テレビドラマ「半沢直樹」の放送終了時刻とぴったり。
グラフは、7月中旬までの日曜日平均と9月27日の福岡市内配水量を比較。通常だと夜10時頃からなだらかに下降するグラフが、27日は夜10時を少し過ぎたころから一気に上昇します。
当日は「半沢直樹」の最終回。放送時間は夜10時8分まででした。平均視聴率は関東地区で32.7%、関西地区で34.7%(ビデオリサーチ調べ)をたたき出したというから、ドラマを見た人たちが一斉に、余韻にひたりながらトイレやお風呂に向かったのも納得です。
グラフを見たユーザーたちは「半沢直樹」の影響を察知。「終わった瞬間にみんながトイレに行った?」「9時前にもピーク。ドラマ前にトイレ?」等の書き込みがありました。
ラグビーW杯やAKB総選挙でも上昇
福岡市水道局に電話で話を聞くと、市内配水量とはトイレや風呂、台所など生活用水全般を指すそう。固唾をのんで画面に見入っていた人たちが、一斉に日常生活に戻ったことが分かります。
今回のような急激な上昇に対して、具体的にはどのような手当てをするのでしょうか。担当者によると、「福岡市では、1978年の異常渇水の経験を踏まえて、配水調整システムを導入しました。市内配水管の流量や水圧を24時間体制、遠隔操作でコントロールしています」という頼もしい回答でした。
実はこれまでも、サッカー日本代表戦やラグビーW杯など注目を集めるテレビ中継後には同様の現象が報告されています。
福岡市水道局はホームページ内でこれまでの上昇例を紹介。2015年6月のAKB選抜総選挙で指原莉乃さん第1位が発表された直後や、2019年10月20日開催のラグビーW杯日本対南アフリカ戦やプロ野球日本シリーズのソフトバンクー巨人戦の配水量などが挙げられています。
東京都水道局ホームページも同様に、「イベント放映時等における水使用量の変動」のグラフを公開。「大きなイベントを中継するようなテレビ番組が放映されると、お客さまの水使用量が急激に変動することがあります。その際には、あらかじめ水量・水圧の調整を行うなど、お客さまに影響を与えないよう、安定した水の供給に努めています」(東京都水道局ホームページから引用)