JR埼京線・武蔵浦和駅の近辺で売り出されたユニークな形状の土地が話題になっている。
駅や大型スーパーにもほど近い閑静な住宅地という絶好のロケーションにも関わらず49㎡、580万円という破格値なのだがそれもそのはず。この土地は間口1m、奥行49mというポッキーのような形状で、しかも建築基準法の要件を満たしていないため建物を建築できないという難点を抱えているのだ。
いったいどんな人がこの土地を誰が欲しがるというのだろうか?販売を依頼されている不動産会社のご担当者に匿名を条件にお話をうかがうことができた。
中将タカノリ(以下「中将」):まるで通路のような土地ですが、こういった土地はよくあるのでしょうか?
担当者:たいへん珍しく、私自身、こういった土地を担当するのも初めてでした。
中将:持ち主の方はこれまでのこの土地をどうやって使用されていたのでしょうか?
担当者:これまでは特に何も利用することはなかったそうです。固定資産税など維持費もかかり現時点では利用することも難しいため売却することとなりました。
中将:持て余しちゃったんですかね……使い道さえあればいいんですが畑や田んぼにするのも難しそうですしね……。
こんな土地にセールスポイントってあるんでしょうか?
担当者:無いことはないです。隣接地が売却することになった場合、地続きの土地として一緒に売却することにより現在の価格以上の価格で売却できる可能性が高いんです。この土地は坪単価約39.1万円ですが、周辺は坪単価約160万円となっています。
中将:それは大きなメリットですね!それが実現すれば単純計算で1800万円弱の利益になります。
現在のところ問合せ状況はいかがでしょうか?
担当者:何件か問い合わせがありましたが、現在のところ具体的なお話には進展しておりません……。
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素人にはにわかに理解できないが、プロの目線では大きな収益の可能性を秘めているというこの土地。あらためて不動産の奥深さを垣間見た気がした。
世の中には旗竿地(道路に面する間口が狭い土地)や狭小地、農地など一般的に売却が難しそうな土地がわんさとあるが、プロの目を通せば素人では気付かないセールスポイントが見えてくるかもしれない。もし持て余してる土地があるという方は、参考にしていただければなによりだ。