ひとめぼれしたモフモフの子犬 里親先で最初は緊張も今では甘えるように

渡辺 陽 渡辺 陽

山中で保護された野良犬の母子がいた。いったん保健所に収容されたが、保護団体が引き出し里親を募集した。生後3カ月にもなると子犬は中型犬くらいの大きさのモフモフの犬になった。群馬県に住む岩井さんは、そのモフモフ犬にひとめぼれした。

山中で捕獲された野良犬の母子

「犬と猫のためのライフボート(以下、ライフボート)」では、保健所で殺処分対象になっている犬や猫を引き出し、里親を募集している。茨城県の山中にいた野良の母犬と3匹の子犬も捕獲後、保健所に収容されていたが、2018年2月15日、犬と猫のためのライフボートが引き出した。1匹の子犬はすぐに里親が決まった。

群馬県に住む岩井さんは、引っ越して家が広くなったのを機に犬を飼おうと思っていた。もともと動物が好きで、いつか一緒に暮らしたいと思っていたという。

何度か譲渡会に行ってが、留守番をさせてはいけないとか家の環境を確認しに来るなど、譲渡条件が厳しいという印象を受け、初めての譲渡ということもあり、なかなか積極的に前に進めなかった。

一番大きな声で吠える犬

山中さんは、ライフボートから猫を譲渡してもらった友人から同団体を紹介された。安心感が持てたのでサイトを見てみた。茨城の山中で捕獲された子犬が掲載されていて、そのなかの1匹がリコちゃんだった。

「縁があれば怪我をしている子でも過酷な経験をしている子でもいいと思いました。サイトには可愛い子がいっぱい掲載されていましたが、リコを見てひとめぼれしたんです」

2019年3月上旬、岩井さんはリコちゃんに会いに行った。リコちゃんは他のどの犬よりも元気にワンワン吠えていた。岩井さんが抱っこすると不安そうな顔をして警戒した。岩井さんは吠えているリコちゃんを見て、「元気がいい!この子だ!」と思った。

希望すればトライアルできたが、トライアルのことはまったく考えていなかったという。

「この子と決めたからには何があっても乗り越えようと覚悟を決めて飼いました」

最初は緊張、少しずつ甘えてくれるように

リコちゃんは、ライフボートに付属している動物病院で避妊手術を受け、3月17日に譲渡された。

家に着くとリコちゃんは、「ここはどこだろう」とクンクンとにおいをかいで探検した。あまり自分から近寄ることもなく、寝る時も丸くなって寝ていた。散歩に行ったり、なでたりすることはできたという。

岩井さんは早くなれてもらおうと、しつこいくらいになで回したり声をかけたりした。いまでもお腹を見せてくれないが、ソファに座るとピタッとくっつたり、あごを乗せたりして甘えるようになった。

岩井さんは、以前ビーグル犬を飼っていたことがあるが、雑種の子のほうが元気で、子犬から飼うとどんな犬になるのか予想もつかない楽しみもあるという。

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