「家では犬と呼ばれている」事例も…9割の男性が「配偶者から言葉の暴力」と回答 結婚経験者100人に調査

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弁護士相談プラットフォーム「カケコム」を運営する株式会社カケコムは、結婚経験がある男女100名を対象に、「配偶者(または元配偶者)から受けた言葉の暴力に関するアンケート」を行い6月11日、結果を公表しました。「配偶者から言葉の暴力を受けたことがある」と回答した人は全体の8割。男女別だと男性が約9割、女性が約7割にのぼりました。一方、言葉の暴力に何らかの手段を取りたいと思ったが取れなかったという男性は、女性より約20%多かったといいます。

言葉の暴力を受けたことがあるか

「配偶者やもと配偶者から言葉の暴力を受けたことはありますか?」という質問には、全体で80%の人が、また男性92.9%、女性70.7%が「ある」と回答。同社は「言葉の暴力は女性が受ける印象が強いかもしれませんが、女性より男性の方が言葉の暴力を受けており、しかもほとんどの男性が言葉の暴力を受けていることが分かりました」と分析しています。

どのような言葉の暴力があったのか具体的に聞いたところ、下記のようなパターンの内容が見られたといいます。特にパターン3、4の回答が多かったそうです。

【パターン1 相手の人格を否定する言葉 】

▽30代男性
家では犬と呼ばれている。帰って来るなと言われた。

▽30代男性
しね等の誹謗中傷を言われた。

▽40代女性
気持ち悪いんだよ。一度死んだ方がいいんじゃない?(と言われた。)

▽30代女性
「人間のクズ」「一人では何もできないクソ女」「誰のおかげで生活ができていると思っている」など。あとは、基本的に謝らないというモラルハラスメント(をされた)。

【パターン2 相手の頑張りや能力を否定する言葉】

▽30代男性
ぼけ、かす、あほ、甲斐性なし、他の人はもっと仕事して稼いで家事も手伝っているのにお前はなんで何もしないのか、弁護士よんでお前の人生をめちゃくちゃにしてやる(と言われた)。

▽30代女性
どうせ(名前)にはできないよ。頭悪いの死なないと治らない?(と言われた。)

▽40代男性
給料が安いのは、能力が低いからと言われました。

【パターン3 専業主婦をバカにする言葉】

▽30代女性
わたしが専業主婦なので、誰のおかげで飯が食えてるねんと言われた。

▽40代女性
専業主婦だった頃、お金を使うだけ使うが、一銭も作り出すことができない能無しだと言われた。

▽30代女性
育児家事をほとんど一人で行なっていますが、「誰のおかげで生活できてると思ってるんだ。お前は何もしてない。」と叱責されました。

【パターン4 結婚自体を否定する言葉】

▽30代男性
私の方がだいぶ年上でしたので、こんなオッサンと結婚しなければ良かったと言われ、ショックでした。

▽40代男性
「あなたと結婚なんてするんじゃなかった」(と言われた。)

【パターン5 相手の容姿を否定する言葉】

▽30代男性
見た目がみっともない(と言われた)。

▽20代女性
でぶ、ぶす、胸が垂れているなどの悪口(を言われた)。

【パターン6 相手の家族を否定する言葉】

▽40代男性
身内の悪口を言う(という言葉の暴力を受けたことがある。)

▽20代男性
親のことを言われ、存在を否定されました。

▽60代以上女性
実家の父母を蔑む言葉(を言われた。)

暴力を受けたことに対して、何らかの手段を取ったか

実際に配偶者や元配偶者から言葉の暴力を受けたことがある人を対象に、「言葉の暴力を受けたことに対して何らかの手段を取ったか」と聞いたところ、「何らかの手段を取った」と回答した人が28%、「取りたいと思ったが取れなかった」と回答した人が30%、「取らなかった」と回答した人が42%でした。

また男性で、「何らかの手段を取った」と回答した人が23.8%、「取りたいと思ったが取れなかった」と回答した人が40.5%、「取らなかった」と回答した人が35.7%。女性で、「何らかの手段を取った」と回答した人が31%、「取りたいと思ったが取れなかった」と回答した人が22.4%、「取らなかった」と回答した人が46.6%でした。「何らかの手段を取った」と回答した男性は女性より約7%も少なく、「取りたいと思ったが取れなかった」という男性は女性より約20%多い結果となっています。

なお、「取りたいと思ったが取れなかった」と回答した方の中では、下記のように子供が理由で行動に移せなかったという意見が目立ったといいます。

▽30代女性
子供がいるので、別居も離婚もできなかった。我慢すればいいと思った。

▽50代男性
子供2人のこと考えたら離婚出来ない。

▽60代以上女性
子供が小さい頃はただ我慢でしたが、娘が家を出て自活し始めた時、娘の方から家を出て娘のところに来るように言われましたが、娘に迷惑をかけたくないので実行をしませんでした。

…また、こちらは男性だけに見られた意見とのことですが、事態の悪化を恐れて対策を取ることを躊躇した人もいたそうです。

▽30代男性
次に何を言われるか怖かったため。

▽30代男性
何を言われるか分からなかったので怖かった。

…上記の質問で何らかの手段を「取った」と回答した人が実際に取った手段は、男女ともに、「別居」または「離婚」を選択したという方が多くみられたそうです。特に女性の場合は、「子供を連れて実家に帰る」というケースも多かったといいます。

同社は調査にあわせて「昨今、新型コロナによる自粛の影響でDVが急増していると言います。言葉の暴力は身体的暴力と同じくらい、被害者に精神的苦痛を与えてしまうものです」としたうえで、「『身体的暴力を受けているわけではないし、相談するほどのことでもない』と思っていたり、『恥ずかしくて、配偶者から言葉の暴力を受けているとは相談できない』と思う方は、結果をご覧いただき、一人ではないこと、取れる対処法がいくつもあることを知っていただければ幸いです」と述べています。

■出典:「夫婦間の言葉の暴力はDVになる?離婚できるケースと言動例5選を解説」
 https://www.kakekomu.com/media/28848/

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