MKタクシー公式が猫愛にあふれている理由 無言で猫写真を送りつけてくる「素敵な上司」も在籍する会社

佐藤 利幸 佐藤 利幸

タクシー会社の公式Twitterが投稿する猫写真に「癒される」と話題になっている。全国8都市で展開しているエムケイ株式会社(本社・京都市)のアカウント、MKタクシー(@MKofficial_PR)がハッシュタグ「#MK猫写真」を付けて街で見かけた野良猫の写真を次々と投稿している。中の人に、なぜタクシー会社がネコ推しなのか聞いてみた。

「#MK猫写真」に投稿される野良猫たちの写真、なかでも「上司から送られてきた写真」が“名物投稿”として人気だ。そのうち1つを紹介すると…今年4月に「上司から無言で送られてきました」のつぶやきとともに、1匹の野良猫が道路で丸くなって座っている写真が投稿された。

これには「ロールパンかと思った」「良い会社ですね!」「素敵な上司さんですね」「猫写真送りつけてくるなんて嬉しいパワ腹だ!もっとお願いします!」と猫好きのツイ民を中心に15万以上のいいねを獲得している。

今年2月には京都で令和2年2月22日の猫の日にちなみ、2台限定で22日間「MKねこタクシー」を運行するなど、本業でも猫愛を感じさせる取り組みを行っているが、Twitterを更新している同社経営企画部ブランド戦略室の今井菜月さんに「なぜ猫推しなのか」と、無言で猫写真を送りつけてくる謎の上司についてたずねた。

――タクシーの公式アカウントがなぜ猫の写真を投稿?
「もともと会社情報とともに京都の景色を撮影し投稿するアカウントでしたが、撮影中に猫に会うこともあり、Twitterにその写真をさりげなく載せていたところ反響が徐々に増えていったことがきっかけです。3年ほど前から『#MK猫写真』のハッシュタグを付け検索しやすくし、京都の魅力と猫の癒しをお届けするつもりで投稿してきました」

――無言で猫写真を送ってくる上司ってどんな人ですか?
「仕事ができる人です。でも静かで一定の距離をちゃんと保つ方なので、そういった面が猫にも好かれるのかもしれませんね」

――写真を撮影する人は複数人いるのですか?
「私を含めて主に撮影者は3人です。この3人はドライバーではなく本社に勤める職員です。たまにドライバーや他の職員からも届くときがあり、女性ドライバーで一人、とても猫好きな方がいてよく話します。私がTwitterに猫の写真を載せているからか、社内のポスターに猫が増えたりしているので好きかどうかはわからないですが、社内ではかなり受け入れている様子が見受けられます」

――写真のなかにはクオリティの高い写真がありますね、ひょっとして一眼カメラを使っていますか?
「私もミラーレスのカメラを社用で購入してもらったり、上司も景色を撮影する際に一眼を持ち歩いています。常にとは言えないですが、カメラを持っている確率は高いかと思います」

――アカウントのプロフィール画像がタクシーとともに猫の手のようなものが見えますが…
「あの写真は私が撮影したものです、ミニカーの撮影をしていたら近くで白っぽい猫が眠りはじめて逃げる様子もなかったので、ミニカーを近づけて猫の手を借りさせていただきました」

  ◇   ◇   ◇

コロナの影響でタクシー業界も大きな打撃を受けている、この逆境にMKタクシーはどう立ち向かっているのか最後に聞いてみた。こちらは今井さんの所属する経営企画部の所属長である東真一さんが答えた。

「全国のタクシーで最も影響が出ているのが京都と言われています。当社も英会話ドライバーや観光貸切、空港送迎、ハイヤーなど主力事業に大きな影響があり、まだ乗り切ったといえる状況ではありません。それでも地域の移動の足としての役割を果たすためには、社員のモチベーションを絶やさないことが大切と考え、医療従事者の無償送迎を行ったり、飲食店との結びつきを強めるために格安でデリバリー配送を開始するなど、この時期はタクシー会社としての地域貢献をメインに新しい取り組みを打ち出しました。これから徐々に国内需要が戻ってくると思いますので、タクシー、ハイヤーともいつでも最善のおもてなしで対応できるようにしております」

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