口やノドが乾く…暑い季節になったせいと思っていませんか。スポーツ時や緊張した時、気温が高い時などは、口やノドが渇きやすいものです。しかし、それが常におこっているようならば、もしかすると「ドライマウス」かもしれません。「口腔(こうくう)乾燥症」とも呼ばれるもので、 唾液の分泌が低下して口が乾いた状態のことをいいます。
ドライマウスの症状がある人は、日本では800万人とも1000万人ともいわれています。男性よりも女性に多く、とくに中高年に目立っていたのですが、最近は30代、40代の働き盛りにも増えてきています。
気になる自覚症状と原因は?
次のような症状がある人は要注意です。
・ 口やノドが乾きやすい
・ 口の中がネバつく
・ 虫歯や歯垢が気になる
・ 食べ物が飲み込みづらい
・ 口臭が気になる
・ 味がわかりづらい(味覚異常)
・ 舌や口の粘膜が痛い
・ 舌がひびわれている
・ 話しづらい
このような症状は唾液が不足することにより起こり、唾液の役割である抗菌作用や自浄作用が低下すると、虫歯や歯周病になりやすくなります。怖いのは、特に高齢者で唾液が減り口の中の細菌が増えると、その細菌が肺に入って誤嚥性肺炎になることも。十分に気をつけてください。この他、唾液の減少で口臭や粘膜の感染症、味覚障害、嚥下障害などを起こすこともあります。
原因の多くは口呼吸、ストレス、喫煙、食生活の乱れや早食い、加齢、薬の副作用、脱水など。最近だと、新型コロナの影響による生活様式の変容などもストレスを引き起こしているかもしれません。また、膠原(こうげん)病の一つであるシェーグレン症候群や、糖尿病、甲状腺機能障害などの疾患や、放射線治療をされていることが原因の場合もあります。気になるようならば、早めに専門医に診てもらうことをおすすめします。
予防効果が期待できる「寝る時マスク」
改善するには、口呼吸をやめて鼻呼吸に努め、ストレスを軽減すること。定期的に水分補給することも忘れないでください。また、食生活を見直しましょう。そして、ドライマウスでも注目されるのが「マスク」です。
通常、何もしないで寝ると、朝、起きた時にノドが痛くなることがあります。寝ている間に口が開いてノドが乾燥したことによるかもしれません。そこで、寝ている間のノドの乾燥を防ぐには、マスクをするのも一つの選択肢です。自分の息がマスク内にこもり、マスク内の湿度が高くなります。その湿った空気を吸うことで、ノド乾燥を防ぐことができるのです。
ただマスクをすると、息苦しくて安眠できないという声もあります。しかし、眠る時のマスクは鼻を覆う必要はありません。口だけ覆うようにすれば、鼻呼吸しやすくなります。乾燥を防ぐだけでなく、口呼吸の人もこれでうまく鼻呼吸するようになるかもしれませんね。ドライマウスが気になる人は寝る時にマスクを試してみるといいですよ。