ボビー・オロゴン容疑者は「準現行犯逮捕」に相当…DV被害の妻が事前に警察相談の可能性も

小川 泰平 小川 泰平
妻への暴行容疑で逮捕されたボビー・オロゴン容疑者
妻への暴行容疑で逮捕されたボビー・オロゴン容疑者

 タレントのボビー・オロゴン容疑者(本名・近田=こんだ=ボビー)が妻への暴行容疑で埼玉県警に現行犯逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は18日、当サイトの取材に対し、今回の逮捕劇が厳密には実際の行為から少し時間を置いた「準現行犯逮捕」に当たると説明し、被害者の妻が事前に警察に相談していたことから逮捕に至った可能性を指摘した。

 埼玉県警によると、ボビー容疑者は16日午前11時50分ごろ、さいたま市の自宅で妻の顔面をたたいた疑いがもたれている。妻からの通報を受け、警察官が自宅に向かい、現行犯逮捕した。同容疑者は容疑を否認しているという。

 小川氏は「現行犯逮捕とは『現に罪を行い、又は現に罪を行い終った』者とされていますが、もう一つの現行犯逮捕は、法律上、現行犯逮捕に準ずるものとして『準現行犯逮捕』と呼ばれています。準現行犯逮捕は『罪を行い終わってから間がない』と明らかに認められる場合で、以下の4つの状況のどれかに当てはまる場合をいいます」と解説した。

 この「4つの状況」について、小川氏は「(1)犯人として追呼(ついこ=編集注・声をかけること)されているとき。(2)贓物(ぞうぶつ=盗品)又は明らかに犯罪の用に供したと思われる凶器その他の物を所持しているとき。(3)身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。(4)誰何(すいか=呼びかけること)されて逃走しようとするとき…です。ボビー容疑者の場合は(3)に該当します。容疑者が返り血を浴びたかどうかだけではなく、被害者の顔面等や容疑者の手拳で殴打した跡や、殴打され赤くなっているといった場合も当てはまります」と説明した。

 今回は暴行容疑での逮捕。同県警は「妻にけがはない」としており、傷害容疑での逮捕ではなかった。小川氏は「傷害容疑は緊急逮捕できますが、暴行容疑は緊急逮捕ができません。その行為が目撃された場合でも通常逮捕になる。被害者が病院で治療するほどのけががない場合、あくまで『暴力を振るった』ということが間違いないと判断されて逮捕に至る」と説明。今回、警察官が現場に行った際、暴力行為が行われていなくても、あるいは、被害者がけがをしていなくても、逮捕に至った背景に何があったのか。

 小川氏は「推察ですが、奥さんが事前に警察に相談していた可能性がある。奥さんからの相談を受けて、警察が『何かあったら通報してください』と伝えていた可能性はあります。ですから、暴力行為が警察官に目撃されていない状況でも、奥さんが被害届を提出することを見越して逮捕したと思われます」と指摘した。

 ボビー容疑者は格闘家として、2004年から4年連続で大みそかの格闘技イベント「K-1 Dynamite!!」に出場。シリル・アビディとのデビュー戦を判定で制し、曙、チェ・ホンマン、ボブ・サップの順に巨漢と激突。06年7月には藤本祐介とK-1ルールで拳を交えた。そういったキャリアがあるだけに、小川氏は「格闘家の手は凶器です。一般の人が殴るのとはわけが違う。それ以前に人を殴るのはダメですが…」と苦言を呈した。

 今後の行方について、小川氏は「罰金刑になるかと思われます。逮捕当初、本人は否認しているということですが、そこから事実を認めて反省するということになれば、弁護士が間に入って話し合い、不起訴になる可能性もある」と予測。また、被害者である妻の「夫から長年DVを受けてきた」という証言が報じられており、同氏は「今後の捜査によっては、傷害罪など余罪が出て来る可能性もある」と推測した。

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